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シロンの夏休みの会話 「罠」の影響編

「い、いやちょっと待ってくださいよ」

「シロンさんはママとも張り合える戦闘力があったじゃないですか」

思わず反論してしまう「男」。

「それに陰陽道の、『禹歩うほ』や『反閇はんべい』など高度な術も使っていた」

「とても一歳の幼児に出来る事ではないでしょう?」



「初めに言ったじゃろ」

優しく言い添えるママ。

「神は、自分で自分自身を、設計デザイン制御コントロールできる、と」

「あのは目的があって己を鍛えたのじゃ」

「じゃから体力、体術は向上し、わらわと張り合える程度になった」

にっこりと笑う。

「技や術を覚えて磨くため、知力も向上した事は明らか」

「まったく大したじゃよ」


ママが、他人ひとを褒めるなんて?!

驚愕する「男」。


だが、すぐに、いつもの悪戯っぽい眼差しに戻る。

「じゃが、それ以外はどうかの?」


「え、それ以外って?」首をひねる。


「例えば、感情的にはあまりにも子供っぽいとは思わなんだか?」

「まあ小学校低学年といっては言い過ぎか?」

はい、言い過ぎです、と「男」の顔に書いてある。


続くママの遠慮ない批評は続く。

「『アッチ』の方は奥手、いや、何も知らない、知ろうとしない」

「あのと話を重ねて確信した」

「本当に『犬神』として幼児であるとな」


奥の寝室の扉を見るママ。

「だから、ここに来て貰うておる」


「あっ、そうだ!」手を叩く「男」。

「何で彼女をここに連れてきたんです?」

「それも訊きたかったんですよ」


「理由はさっき言うたじゃろ、『犬神』として幼児であるからじゃ」あっさりと返すママ。


「いや、話が見えないんですが」つぶやいてしまう。


「ふ、体験を色々重ねた、女としての直感だと言えば?」ねっとりと返すママ。


「…余計、分かりませんよ」ぼやいてしまう。


「確かに、『フェロモン』など効くはずが無いとは言うた」

「だが、全く影響は無いとも思えなんだ、あんな異常なヤクじゃからの」

「そこで、昨晩は手元に置いて様子を見た」


ママが、他人ひとを心配するなんて?!

びっくりする「男」。


「―うふふ、大当たりじゃったわ」ニヤリと笑うママ。


心配では無くて、好奇心でしたか、そうですか…

納得する「男」。


「いや、昨夜は本当に、大変じゃったんじゃぞ」

ちょっとだけ真顔のママ。


「な、何があったんです?」思わず訊く。


「それは、夜中零時ころであったかな」

「シロンのうめき声が聞こえたのじゃ」、…ゴクリ、生唾を飲む音。

「ソファで微睡まどろんでいたわらわが、目を覚まし…」…頷く。

「寝室の扉を開けて見に行くと…」…身構える「男」。

「なんと、ベッドのシーツが真っ赤に染まっておった!」


うわああああーっ!、…って何の「怪談」なんですか、これは?


いや、それって、マジで異常事態じゃ?

「えっ、まさか、口から血を吐いたとか?!」


「まあ出たのは上からではなく…、『下』からだったが」


「え?」意味の分からない「男」。


「分からぬか?、『生理』じゃよ」


「え、は、はあっ?」

何故か「男」の方があたふたしてしまう。


「聞けば、なんとあのにとっては『初潮しょちょう』じゃと!」

「なんと、傑作けっさくではないか?」

「まさに『アッチ』の方は、奥手の証拠、そのものじゃな!!」

明るく笑うママ、一方渋い顔の「男」。


「こんなものは、笑い飛ばすに限るのよ」

「長年、女をやって来てるわらわが言うのじゃ、間違いない!」

そして、すたすたと寝室の扉に近づき、さっと開く。


「…、わっ、ちょっと!」

扉の向こうで聞き耳を立てていた風情のシロンが、いきなり扉を開けられてよろめき出る。


「白犬」と描かれたTシャツに短パン姿のシロン。その「白犬」の字がやけに歪んで…?

「―えっ、シロンさん、それは?!」「男」の驚き。


「ほうれ、挨拶せぬか」

ママにぐっと肩をつかまれ、向き直るシロン。

「この度、『はっちゃけ能天気』に、『大飯喰らい』に加え…」

「見事に『巨乳』の属性が加わったのじゃあ!」


「…な、なんで、こんな?」唖然とする「男」。


「もちろん、『フェロモン』の影響じゃよ」

「ふふふっ、こんな、イジリ甲斐のある身体になりよって」

ぷにぷに、ぷにっ―、


「止めろぉっ、いじるなあっ!」


「止められぬのう」ぷにぷに、ぷにっ―


「こ、こんなの夏休み明けに、ダチに何て言えば、いいんだよぉっ」


「まあ、冗談で試した『豊胸薬』がクリーンヒットしたとでも、言えばよかろう?」


「もぉう、ヤダよぉっ!!」



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