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敵幹部との会話 解説編

襟の立ったマオカラースーツを着ている神経質そうな背の高い男が、息を荒げて走っている。

それは、集団『異能コトナリ』の幹部、『dennデン』。

駆け込んだのは、あの施設から2kmほど離れた小さな駐車場。

作業用軽トラックや、営業車などが数台停まっている。


立ち止まり、身をかがめて両手を膝に置き息を整える。

そして、忌々し気に後ろを振り返ったのち、歩き出す。


「やあ」

しかし、傍らの車の影から出てきた男に声を掛けられ、思わず立ち止まる。

にやけた顔の、そうあの「男」!


両手をポケットに突っ込み、いつものように全くない緊張感。

「久しぶりですね」

「ああ、いやまだ三日ほどでしたか」


いきなり背中のホルスターから拳銃を取り出す『dennデン』。

「何の用だ」


「貴男とお話がしたかったのですよ」

何気なく言う「男」


「話す事などない!」

苛立たし気な声。

「貴様やあの女に騙されて、散々だ!」


「騙してないですよ?」

「みんな本気だったんですから」

あっさりという「男」


「出まかせを言うな」


「私は本気でうろたえ動揺し、失禁までした」

「そんな私に呆れかえって愛想をつかしママは本当に裏切った」

「そう、あなたは本当に優秀な人だ」

全く信用できない。

「みんな本心、本気だったんですよ。だから貴男は信じてくれた」

「何の前知識も仕掛けもない状態で、あなたのような優秀な人間を騙せるはずもないでしょ?」


「だいたいあのママが、私のシナリオ通りになんか動いてくれる筈ありませんよ」

「貴男もこの一、二日だけでも嫌という程、思い知らされたんじゃないですか?」


忌々しい記憶をかき消すように、声を上げる。

「そんな御託は聞きたくない、撃つのだけは堪忍してやろう、さっさと去れ!」


気に障るにやけた笑い。

「まあまあ聞いてくださいよ、『でん 角夫かくお』さん」


手に持った拳銃が揺れる。

「貴様、なぜ俺の本名を―!」


軽く首をすくめる「男」。

「そんな事、いまさらでしょう?、このご時世そんな事は直ぐ調べられます」

「肝心なのは、そう、あなたがその『窓』の能力をどうやって手に入れたか、その一点です」

「それが全くわからない」


「フン、偉大な人間が、己の真の実力に目覚めただけだ。そう、まったく俺にふさわ…」


dennデン』の一人語りを無視して続ける「男」。

「素晴らしく便利な能力ですね、自分で描いた、あるいは指でなぞった『窓』の模様を通し、その向こうを彼方からでも見る事が出来る」

「そして一度だけなら、非常口として『窓』を突き破る形で、彼方へ移動できる」

「これって、諜報や暗殺に持って来いじゃないですか」


語りながらゆっくりと歩く、まるでバカにするように。

「この『窓』の能力、どうしてその方面に活かさないんです、もったいない」

「やることがしょぼすぎですよ」


「お前の知った事じゃない!、だいたいお前如きに俺の…」


dennデン』の文句を無視してさらに続ける「男」。

「私にも僅かながら『異能』と呼ばれる特性があります。だから分かるんですよ」

「『窓』という一点に、強いイメージありきの能力、それは余程『窓』に愛着、思い入れ、いや執念というものが無いと、発現できない、という事が、ね」


一旦、言葉を切り、覗き込むような視線の「男」

「あなた、何を隠しているんです?」


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