女子高生と転校生の会話
「あ、白神さーん」
「妙ちゃん、お早う」
通学路の女子高生同士の明るい朝の挨拶!
「おはよー」
「オハー」
もぐもぐと最後の一口の食パンを飲み込む女子高生。
「ヤダー、シロン。またあ?」
「行儀悪くね?」
「えー、いいじゃん別に」
「でもそれってさー、何かそのうち、転校生の男子にぶつかってー、とかなるんじゃない?!」
「ん、えー、そー言えばさっきあったカナー」
「えー、なになにぃ?」
「ホントーにぶつかったあっ?」
「いんや、踏みつぶしちったぁー、あはは」
「は?」
「何それ」
「…ん、落ちたらいてさー、そいつ、大の字ってヤツでー、めり込み?、きゃはっ」
これほどよくわかんない説明があるだろうか?
「え、それって」
「ソイツさすがにやばくね?」
「んー、すぐ立ちあがって『ダイジョーブさぁっ』っったから、大丈夫なんじゃね?」
「…」
「ふーん、そっかー」
「そんならー、ダイジョーブだね!」
…これほどお気楽な会話がこの世にあるだろうか??
…キーンコーン、カーン、コーン
「あー、着席ぃ」
初老の担任の気のない声、そしてガタガタと椅子が鳴りやがて静かになる教室。
「あー、今日は転校生を紹介する…」
転校生?
こんな時期に?
聞いてないよ?、教室に満ちる?マーク。
教室の戸がガラッと開き、一人の地味な印象の男子が入ってくる。
男子学生は担任の横で頭を下げる。
「転校生です、よろしくお願いします」
一斉にクラス全員の頭の上に「?」マークが並んだような気がしたが…
何かおかしいと思いつつも―、何となく、みんなからパラパラと拍手が上がる。
「席は、そうだな、白神の隣が、空いているな…」
「へ?」
シロンは横を見る。
見える空席の椅子。
…空いてる、確かに空いてるけど、なんか、おかしくね?
アタシの、隣って…、なんか―
シロンが思う間に、転校生は横に来て座る。
「初めましてよろしく、と言いたいけど…」
「さっきは踏みつぶされて痛かったんだよ」
その言葉に、必要以上に盛り上がる女子高生たち。
「えー、ホントに朝、ぶつかったの―?」
「そんなコトあるんだー」
「ね、ねー、シロン、付き合っちゃいなよ―」
やかましく騒ぐ周りの席の声に、シロンは…
(ムリ!!)
一瞬で判定していた!
(だってさー、コイツだいたい…)
そう、背は高くもなく低くもなく、顔は、また何とも印象に残りにくい、特徴の無い顔。
何でかその口元に浮かぶ笑みだけはイラつくほど気にかかる。
なにそれ、あいそ笑い?、なんだよ、はっきりしろ、とひたすら言いたい。
ウチに帰って思い返したら、なんかコイツの口元だけしか思い出せない、そんなヤな感じだった。
でも…
(…なんか、何か、気にかかる)
(コイツ、なんだぁ?)




