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親子の危険な会話

しかし、「子供」は自分の身体を見回しながら言う。

『うーん、この身体は身体的な成長には適しているかもしれないけど、行動力に欠けるなあ』

『それにこの恰好じゃトイレにも行けないし』

…今日、産まれた存在の言う事では無いが。

『ねえ、ママ、パパ、もうちょっと大きくしてくれない?』


「ほほ、しょうがないのう、では、幼稚園児位にするか」

実際の子育ても、こんな具合に出来たら楽だろうな、と男はしみじみ思う。


「…はいはい」

ママと男は乳児の額辺りに手を伸ばし、同時に言う。

「「幼稚園児」」!!


「Accept!」


と、そこに幼稚園児がいた。制服をきて制帽をかぶった…


「…ん?」

男はふと、首をかしげる。


「子供」は笑って返す。

『…ふふ、分かったみたいだね』


「赤ん坊の時にも感じていましたが、『子供』さん、あなた何か見え方に『ゆらぎ』がありますね?」

「見るたびに顔や服の細部が、違って見える、とでも言いますか―」


「そうじゃ、我が子は大きすぎる可能性の故、まだその姿を完全に確定できておらぬ」


「…つまりは、見た者のイメージ通りの『幼稚園児』に見えるということなんですか」

男はふと考える。

「それに、あなたの声、いやそれは『声』じゃない?!」

『さすがパパ、そう直接心に響いているんだ、分かりやすいでしょ』

…それも、存在を確定できていないことに通じるのか。

男は思う、なにか、なにかが思いつきそうな―


「のう、『パパ』よ、わらわからも一つ『提案』があるのじゃが」


「―!」思わず無言で身体を引いてしまう男。

その様にニヤリと笑うママ。


「案ずるな、ただわらわの鬱憤晴らし、今どきで言うと『ストレス解消』を要求するまでじゃ」


「え、そ、それは?」


「なにこのところ、猿にやられたり、出産に籠ったりと、内に入ることばかりでな、派手にぱぁーっと暴れたいのじゃ、全力でのう…」


伝説の九尾の狐が全力で暴れたい…、そのお相手ができるのは、伝説の大怪獣ぐらいの気がするが―

ん、これも、何か、ひらめきそうな―


ちょっと考え、男は「子供」に尋ねる。

「そういえば、さっき『経験値を積まないと』と言ってましたよね」

うなずく「子供」。


「経験値…、ふむ、見るからにあなたに必要なのは、『学習』などではなく『社会経験』『実戦経験』ですね!」


…そうこれは、あれとコレとそれを、ああして―!


―キター!!

大きく叫び、男は手を叩き笑う。

「見えました、これからの方針が!」


「なんじゃと?」

突然の言い草に一瞬驚くママ、しかしすぐにニヤリと笑う。

「ふふ、やっと調子が出て来よったか」

「聞かせて貰おうか」


家族三人は顔を寄せ合う。


「まず我が子には、街中の繁華街を、それも夕方の薄暗いときに歩いてもらいましょう」

「すると寄ってくると思いますよ、ペドやロリやショタの連中が」

「何しろ、見た者のイメージ通りの、つまり自分の理想像の『幼稚園児』ですからね」

「寄ってくるそいつらを狩って経験値にしちゃいましょう。RPGの初期のフィールドのザコモンスター狩りの要領ですよ」


「ふぅむ、じゃが一般人を気楽に狩ってよいのかや?」


「もちろん思考や嗜好は自由ですよ、心の内ならね…。―しかし、ダダ洩れして危害を加えてくるヤツには、相応の報いがあって当然でしょう?」

黒い笑いでうなずく母と子。


「じゃが、わらわの『ストレス解消』はどうなる?」


「地道に経験値を積んでると案外すぐに『イベント』が起こるものですよ」

「『仲間イベント』とかがね…」

「そうですね、『K・M・O』とかが現れるかもですね」


「なんじゃそれは」


「『行動力はあるが(K)・マヌケな(M)・お人よし(O)』ですよ」

「見かけたら幸運です、良い遊び相手になりますよ、その時は、―こんなふうに」

一層悪いひそひそ話が…。








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