レナの誕生日 スライム遊園地 その28
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「にゃぁああああああああああああ!!!!!!」
あまりの滑走スピードにぶちゃ顔になっている俺。
《恐怖のあまりに猫男子になってますよ》
カラフルに染色された巨人の腸みたいなチューブのなかを、
とんでもないスピードで滑り落ちていく。
スライムのにゅるんにゅるんでどんどん滑りが良くなって、
明らかに正規のスピードをオーバーしていた。
《時速90キロは出てますね》
ただの殺人ボブスレー!!!!!!
ウォータースライダーのチューブの色がめまぐるしく変わるせいで、
チューブ内部を猛スピードで滑走していく俺の顔は、いろんなカラフルな色合いに染められていく。
なんだか『トワイライトゾーン』で、
宇宙人に誘拐されている人が見るような不気味な光景だ。
《ずいぶん古いドラマを持ち出してきましたね》
その間も、スライムたちは俺の身体をまさぐって悪戯し続けている。
そのとき、俺の心象風景は?というと。
今までの人生が、走馬灯のように頭の中に流れていた。
ウォータースライダーのチューブ内部に、
人生の黒歴史たちが、
映画の名場面集みたいにつぎつぎ映し出されていく。
《マサムネさんのリアル人生は九割黒歴史ですね》
時が見えるよ、ララァ……………
体感、4時間くらい滑り続けて、ようやくウォータースライダーの出口から転げ落ちるように吐き出された。
《下痢便みたいな吐き出され方》
思ってても言うな?
ウォータースライダーから出てきた人に絶対それ言うな?
ようやく、げっそり青ざめた顔で滝つぼみたいなスライムプールから立ち上がった。
すると……………
「ノーパーーーーーーーーンツ!!!!!!」
両手で股間を指さし、
『とにかく明るい安村』みたいなポーズで叫ぶ俺
《安心してください。履いていませんよ》
どうやら、ウォータースライダーの途中でスライムに脱がされてしまったらしい。
ウォータースライダーの頂上。
そこに俺のブーメランパンツが占領旗みたいに掲げられていた。
「人のパンツを掲げるな!!!!!」
少し遅れて、レナもウォータースライダー出口から吐き出されてくる。
幸福感のあまりに、キラキラと背景をエフェクトで輝かせながら立ち上がるレナ。
「……………あ」
レナは自分の身体を見下ろして、薄くリアクションした。
「……………無い」
こちらを、パンを切らした主婦くらいの何気ない無表情で見つめてくるレナ。
その身体はスライムに脱がされてすっぽんぽんになっていた。
《脱がしたがりのスライムですね》
「少しは隠したまえよ!!!!!!」
気を利かせたスライムが、水面から目隠しのカタチに盛り上がって俺の目を塞いでいた。
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何も無い平原に突如として出現した巨大なスライム遊園地。
さすがにパーティーのみんなも異変に気付いたらしく、遊園地に合流してきた。
俺とレナは、浴衣に着替えていた。
異常に似合うレナの浴衣姿。
「凄い……………これぜんぶマサムネが魔法で作ったの?」
リトさんが驚嘆してつぶやく。
リムルルはなぜか膨れっ面をしていた。
「マサムネ、自分たちだけ遊んでた……………」
《小さくても女の勘》
あたりは日が暮れてきて、夕陽が沈んでいく頃合い。
エスパーニャの町民も、結構な数このスライム遊園地に見学に訪れているみたいだ。物珍しげに数々のアトラクションを見上げている。
間違えて、異世界人の彼らが【日本一怖いお化け屋敷】に入ったら大パニックだろうな。
ギルド組織に報告がいって、【お化け屋敷】討伐隊が編成されてしまうかも知れない。
《異世界人じゃないマサムネさんも大パニックでしたからね》
あたりが薄暗くなるにつれて、遊園地を形作っているスライムボディのすべてが、薄っすらと幻想的に光り輝きはじめていた。
蛍みたいに、夜の底にぼぉっと光の遊園地が浮かび上がる。
「うにゃぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
なぜか、ミヤコの絶叫が上空から響き渡ってきた。
虹色に光り輝くジェットコースターのレール。
それに乗って、遙か上空を疾走する車体。
ミヤコの悲鳴はそこから響き渡ってくるようだ。
「ちょっと目を離した隙に……………」
リザリザさんが呆れかえっている。
どうやら、絶望的な方向オンチで迷子になって、
最恐ジェットコースターの車体に迷い込んでしまったらしい。
どんだけ方向オンチだったらあんなところに迷い込めるんだよ!!!!?
ようやく一周回って帰還したジェットコースター。
ミヤコは、
井戸の底の貞子みたいな形相で気絶していた。
《顔面モザイク案件》




