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レナの誕生日 スライム遊園地 その27



スライム大洪水のなかを溺れかけながら必死に泳ぎ切って、なんとかおパンティーを取り返した。



……………ったく。



魔界村ですらパンツまではとらねえぞ?




《フルチンのアーサーは悲惨すぎます》





プールサイドにあがって休憩していると、



レナがちょいちょいと肩を叩いてくる。




「ん?どうした?」




どうやら、レナは流れるプールに興味があるみたいで、そちらを見つめている。


うん。流れるプールというより、流れるスライムだよね、あれ。



ライトグリーンのスライムプールが、川みたいに一定の方向に流れていってる。


ところどころ、事故物件の壁に浮かび上がる顔のシミみたいに、スライムのニヤケ面が水面を流れていた。






またもやレナに付き合って、俺は流木みたいにスライムの濁流のなかを流されていった。


流れるスライムプールに押し流されながら、お地蔵さんみたいに悟りきった顔をしている俺。



レナは、スライムの浮き輪をしっかり掴みながら真面目な顔で流れるプールを乗りこなしていた。



冒険中みたいな真剣な眼差し。



流れるプールは、暗いトンネルのなかに入る。




すると、スライムの水面がぼんやりと薄緑色に光り輝き始めた。



暗闇のなか、ライトグリーンに発光する水面。


なかなかに幻想的な眺めだった。





つぎに、レナに手を引かれて連れていかれたのは、


日本一の規模を誇るという超特大ウォータースライダー。



いや、ウォータースライダー本体も、その内部なかを流れているのも、ぜんぶスライムなんスけどね。



いわゆるスライムスライダー。


って、なんじゃそれ?




《日本一にこだわりますね。


レナはいつも無表情クールで悲鳴をあげた事も無いのに、


意外と絶叫系がお好み》




それは、高層ビル20階ぶんの高さから、全長500メートル以上にも渡るスライダーを滑り落ちるという、頭のイカれたアトラクションだった。



マフィアの身内同士の血の粛清に使えそうな、危険な処刑装置…………いや遊具。




大蛇が空中でとぐろを巻いているみたいに、


ウォータースライダーのチューブが上空でうねうねと身をくねらせながら、天高くそびえている。




誰だ!!!!?


こんな凶悪なウォータースライダーを異世界に持ち込んだのは!!!!?




《あなたでしょ》




てゆーか、何度も言うけど安全面は大丈夫なんでしょうか。


あの巨大なウォータースライダー、


スライムで出来ているのだ。


滑っているときに窒息とかしないだろうな。



俺が、理性的な大人のポーズをとりながら、なんとかこのアトラクションを避ける口実を考えていると。



レナが、また悲しげな瞳でこちらを見てくる。



『火垂るの墓』の節子か、『おしん』かってくらい悲しげな瞳だ。




「だぁーーーーー!!!!!


もう、わかったよ!!!!!」





《マサムネさんはこの後、情に流される自分の甘さ、未熟さを深く後悔にする事になる》





怖いナレーションいれるのやめて!!!!!?





~結果、俺は《《いと激しく》》後悔する事になった。





《『いとおかし』みたいに言わないでください。平安ですか?》







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