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レナの誕生日 スライム遊園地 その15

□□



レナが、焚き火の弱くなった薄暗がりのなかでそっと身を起こす。


目は、山猫みたいに警戒の光を放ってる。




「レナも気づいたか?」




俺は身を横たえたまま声をかける。




「この島に上陸したときから、遠くからずっとこちらを観察してる目には気づいてたんだけどな。


急に距離をつめてきた。取り囲んでやがる」




樹々の間を、人影がぎるのが見えた。


1人2人じゃなくて、相当な大人数の人影。




「おいおいおい……………無人島って言ってなかったか?」




焚き火のなかの炎を魔法で注ぎ足して、



さらには付近の樹間にも光魔法で照明を灯してやった。



真っ白に光り輝きながら哄笑こうしょうする髑髏しゃれこうべ照明ライト




《怖い照明ですね。光魔法なのに大魔王臭がにじみ出てます》





全身に異形の刺青タトゥーを入れた、



未開の部族のような人々が明かりのなかに浮かび上がってきた。



どちらかと言えば、人類よりも動物たちの世界に半分足を突っ込んでいるような衣装、風俗。



人間ナカマとか喰っててもおかしくなさそうな、狂気を感じさせる目つき。




《未開の部族だから、人類の勘定に入れてこなかったって事でしょうか?


ドラクエだったらモンスター役で出てきそうだし》




いや、でも、未開の部族だとしても人間の姿かたちをしたものとり合いたくはねえなぁ。




お構いなしに戦闘行動に入ろうとしているレナを右手で制しながら、


俺は様子を見ていた。



その間も、ジリジリと包囲の輪をせばめてくる未開部族の集団。



………普段、これだけの過酷な環境を生き延びている猛者たち


1人1人が相当な手練れと見た方がいい。



さっきも、気配をほぼ消して俺たちのまわりを包囲する手際は見事だった。




…………と、相手の戦力分析をしてるとき、



不意に未開の部族たちが左右に開いて、道を作った。



そして、奥から明らかにリーダー格だと思える立派な装束を着た、


頭に奇怪な怪物の、髑髏しゃれこうべの冠をかぶった男が歩いてくる。



その海外のプロレスラーみたいに大柄な男は、ゆっくりと俺の方へと近づいてくると……………




急に、両手を前に伸ばしながら地べたに這いつくばった。



野球のヘッドスライディングみたいな勢いだった。




「…………へ?」




ちょうど、バンザイと土下座のハイブリッドみたいなポーズで、


俺の眼前に頭頂部を見せて這いつくばる男。




《バンザイ土下座》




すると、その背後で俺たちを包囲していた未開の部族たち全員がそれにならって、地べたに這いつくばり始めた。




《部族総土下座》




いちいち『写真で一言』みたいなフレーズ、挿入しなくていいです。




俺に向かって土下座したまま、声も上げずに硬直している未開人たち。




……………てか、これどういう状況?




《マサムネさんの事、神様だと思っているのでしょうね》




なぜ!!!!?




《だって、この島を蹂躙していた超巨大怪獣たちを一瞬にして消し去って、


今も、とんでもない魅力値を周囲にビンビンに放っているわけでしょ?


そら神様と間違えますよ、未開人さんたちも》




いや、しかし。


…………どうしたもんか?これ。




そのとき、クイックイッとレナに袖を引っ張られた。




「……………案内…………してもらお」




俺はポンと手を叩く。




「なるほどな。地元民だったら当然、その採掘鉱山の跡地とやらも知ってるだろうしな」




俺は、バンザイ土下座をしたままピクリとも動かないリーダー格の男のところに歩み寄って、




「おい、酋長」




その男は、かろうじて島の外の言語を解するらしい。




「……………ハイ、カミサマ」




顔をあげてそう受けこたえる。




「俺たちは採掘場に用がある。そこに案内してもらおうか?」




採掘場という概念が存在しないのか、語彙が分からないのか、


キョトンとした顔の酋長。


いや、奇怪な刺青だらけの顔でキョトンとされてもぜんぜん可愛くないゼ?




仕方が無いので、俺は【虚無の左手】を発動した。


そして、紫色の炎をまとった左手を酋長の頭のうえに乗せる。



怯えて、騒ぎはじめる周囲の未開部族たち。



酋長も、頭に俺の左手を乗せられたまま、今にも卒倒しそうなくらい怯えている。




『採掘場』のイメージ、そして『豊富な鉱石』のイメージを、


酋長の頭のなかに移植してやった。




《【虚無の左手】だけで十分チート説》




一瞬で俺の言ってる事が全て理解できたらしい。



頭の霧が晴れたみたいに、酋長の顔に『理解』の光が灯った。







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