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対決


相変わらず玲くんが学校に来ない日々が続いていたある日

教室の廊下側からクラスメイトに呼ばれた

「ひなー、姫野さんが呼んでるよー」

「えっ」


まさか、直接来るなんてと驚いていると

高校から仲良くなったゆきちゃんも驚いて私に聞いてきた

「ひな、姫野さんと仲いいの?」

「ううん、話したこともないよ」

すぐに否定し、席を立つと廊下側に向かう


教室の入り口で困ったように立つ姫野さん

「あの、突然ごめんね。私、姫野百合です」

「うん、有名だもん。知ってるよ」

「あの、鈴野さんが玲の幼馴染だって聞いて・・・玲のお家教えてくれないかな?」


そう来たか・・・


私が知らないと思ったのか慌てて言い訳する姫野さん

「ほら、私のせいで玲がケガしちゃったから心配で・・・お見舞いに行きたいんだ」

「ひな、教えてあげなよ」

姫野さんの後ろには中3のとき同じクラスだった愛美がいた

「も、もしかして、鈴野さんって玲のこと好きなの?だから私に教えたくないのかな?」


教室の入り口という目立つ場所で今、学年一の有名人があの事件の話をしている

好奇心の強いクラスメイトたちが話を聞いているのは分かりきったこと


わざとらしいなぁ


教室には普段どおりに話そうとするクラスメイトたちもいるが、その声もいつもより小さい


私を悪者に仕立てようとしてる


「ちょっと、何その言い方!ひなが意地悪してるみたいじゃん」

ゆきちゃんが反論してくれた

「いいよ、ゆきちゃん。事実だもん」


教えたくないよ


「ひな?」

私が肯定するとは思わなかったのか、ゆきちゃんは困惑してる


ごめんね、ゆきちゃん


ゆきちゃんは入学してすぐ、内部生であることに優越感をもっている愛美たちのせいで嫌な思いをしたため、攻撃的だ


そんなゆきちゃんの弱みに付け込んで

友達になった


本当に


嫌な性格


でも


負けたくない、な


姫野さんの弱弱しい声を真似て、言ってみた

「噂で聞いたことだから、こんなこと言うのダメかもしれないけど・・・姫野さん、玲くんの家に謝りに行ってないって本当?」

そう切り返されると思っていなかったのか姫野さんは弱弱しさを投げ捨てて、反論する

「それは先生が玲の家を教えてくれないから!」


その後ろで愛美が睨んできてるけど、大丈夫


「ううん、先生は親御さんと一緒に謝罪しに行くなら先生もついて行くから教えてくれるって。・・・私たち、まだ高校生なんだから、あんな大怪我させたら治療費とか後遺症はないのかとか親の介入なしに終われないよ。どうして、先生にきちんと言わないの?」

「っ!」

これには反論できないようで、姫野さんは黙った

ゆきちゃんは少し勝ち誇ったような顔をしてる


でも愛美は黙っていられないようだ

「百合は1人暮らしなの!親は海外出張なのよ!」

「でも、大事件だよね?子どもがよその家の子にケガされたんだもん。それでも帰って来ないなんておかしくない?」

姫野さんにとってバラされたくないことだったのか、顔を下に向けたまま黙っている

愛美もこれには反論できないようだったけど

「・・・さっき、噂って言ったけど、そんな噂で七澤の家教えないなんてひなのほうがおかしいんじゃない?百合は謝りたいって言ってんのよ!どこが悪いのよ!あんた、七澤を百合に盗られると思ってるんでしょ。七澤はあんたのものじゃないのよ!」

と話を戻すことにしたようだ


これには姫野さんもそうだと言わんばかりに顔をあげ、睨んできた

ゆきは心配そうにみてきたけど、


大丈夫


じゃあ、答えてあげる

「大切な幼馴染だもん、心配するのは当然でしょ?でも・・・いいよ。お家教えてあげる。だけど、玲くんお家にいないよ?」

「えっ」

「だって入院してるもん」

クラスメイトたちも愛美もそんな大事になっているとは思っていなかったようで驚いている

「・・・先生はそんなこと言ってなかった」

姫野さんは言い訳をした


そんなにもっと聞きたいのかな?


追い詰められるだけだよ?


「んー、お手伝いの鈴木さんが自宅って言ったんだって。玲が病院に来て欲しくなかったから」

「・・・どうしてそんなこと知ってるの?」

姫野さんではなく、ゆきちゃんが聞いてきた

「本人がそう言ってたから」

ポケットから取り出した携帯をふって、可愛く笑って答えてあげる


姫野さんにとっては嫌味な笑みに見えたかな?


さて、私がこれで嫌われ者になる可能性はなくなったかな


「ありがとう、鈴野さん、私のせいで玲くんがケガしたのに、楽観的に考えてた。パパたち忙しいんだけど、もう一回連絡してみるね」


さすが、ヒロイン

「それで、ね、玲くんのアドレス教えてもらっていいかな?やっぱり本人に連絡とってきちんと謝りたいんだ」


・・・さすが



でも困ったな


私、玲くんのアドレス知らないんだよね


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