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イベント


玲くんが姫野さんのせいで転倒してから3日ほどたった日

「鈴野」


珍しい人に声をかけられた


「山本くん」


A組の山本くん

高校に入ってもバスケを続けてるみたい


中学のときのような目立つ場所、じゃないところに移動

高校のほうがこういうのって目立たないよね



「俺昨日みたんだよね、あの転校生がわざとボール落としたの。あれ絶対に七澤の足元狙って落としたな」


バスケ部の山本くんにとっては授業のバスケは退屈すぎたみたいで

あのとき山本くんも試合中だったはずなのにしっかり見ていたようだ


特別、驚きはない

姫野さんなら、やりそう


「どうして私に言うの?先生に言えばいいじゃない?」

「授業態度の悪い俺がいっても信憑性ないだろ?他のやつらにも聞いてみたんだけど見てないっていうし、さ」


成績は悪くないんだけど、生徒指導の先生たちには嫌われている山本くん


制服を着崩してるからだよ、なんて言われなくても本人がわかってるか


「どうやって聞いたの?怪しまれるんじゃない?」

「ん?誰が落としたボールか知らないふりして、『お前、それ見たの?』って聞いたんだよ。みんな見てなくてさ、ただ本人があの場面で名乗りあげたぐらいだしっていうんだよなぁ」

「さっき、自分が言ってもって言ってたけど、私に言えっていうの?」

「そうじゃない。ただ、これも佐野の言ってたイベントかなって」

「イベント?」

「あぁーなんだったかな、えー好感度を上げるイベント?」


あの見下しはそういう意味で?


「むしろ、マイナスじゃない?」

「鈴野、もっと考えろよ。普段喋んないやつとこれをきっかけに喋るようになるとか」

「さすが、付き合った人数は学年一の山本くん」


お前、鈍感だなーなんて言いたげな山本くんに反抗して茶化して言った


「事実だけど、ひどいなぁー」

「でも、姫野さんは元から玲くんと喋っていたから意味ないでしょ?」

「そんなことないだろ。あれから休んでる七澤に謝りたいって七澤の家の場所、クラスメイトに聞きまくってるぜ。先生は親と一緒に謝りに行くなら同行するからとか言ってはっきりと住所は教えてないけど、な」

「玲くんの家が目的ってこと?」

幼稚園のとき行ったことがあるけど

確か、今は両親と一緒に住んでないって言ってた

お手伝いさんも来られたら困るのかな?


「その可能性はあるだろ、七澤の家は金持ちだから」


お手伝いさんがいるんだから

そーいえば、そうだった


「今、そういえばそうだったとか思っただろ」

「・・・何」

「ゆかが言ってた。鈴野はそーいうやつだって」

「どういうやつよ。・・・ゆかと話したの?」

「ははっ・・・まぁな」

「でも、ゆかは外部の高校に」

「だから、ゆかの親たちに気付かれないと思って、ゆかの高校の前で待って、話した」

「・・・ゆかの行った学校、女子校だよ?」

「そりゃ、見回ってる人に変な目で見られたさっ!ちゃんと説明した!」

「・・・顔がチャラいから、ナンパとか誤解されたんじゃないかな?」

「顔が悪かったら、逆にストーカーの誤解受けるだろ!それよりマシだ」

「・・・」

「ゆかがさ、お前のことよろしくって。佐野のこと気にしてたから」

「過保護だなぁー」

「ゆかに聞いたけど、お前の大好きなお兄ちゃん家でてったんだろ?そりゃ心配するわ」

「お兄ちゃんが関係あるの?」

「あるある。あの過保護なお兄ちゃんだぞ?」

「ふーん」

「じゃ、ゆかにあんま心配かけんなよ」



言いたいことは言ったと勝手に満足して山本くんは去っていった


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