夜勤の引き出し
ジュリアンの工場では、古い車両の整備日程が変更された。部品が届かず、夜勤の人員を昼へ回さなければならない。班長は家庭の事情がある人間から希望を聞き、ジュリアンに無理をするなと言った。
彼は新しい勤務表を受け取った。以前ならクレールと相談してから返事をしたものだ。今は家に一人で、食事も時間を決めずに済ませている。
帰宅すると、ルカの衣服をしまった引き出しが少し開いていた。泥棒ではない。前夜、自分で開けたまま寝てしまったのだ。小さな帽子は、クレールが買うつもりだった星の縫い付けられたものとは違う。
棚には一度届いた彼女の手紙がある。長い説明はなく、「ルカのことを忘れないでください。あなたのせいではありません」と書かれている。ジュリアンは何度も紙を開き、封筒の消印を見た。知りたいことは山ほどあったが、返事を出す宛先がない。
翌朝、ローズが庭の苗の様子を見に来た。ジュリアンは珈琲を淹れ、仕事の時間までしばらく話した。妻が何をしているのかという問いを、ローズは口にしなかった。
ローズは修理業者が来る日、台所に新聞紙を敷いて準備をした。漏れていたのは古い窓枠からの雨水で、直すには外壁の一部も手当てしなければならないという。費用の見積もりを見て、ジュリアンは少し眉を寄せた。ルカが生きていれば、今年は暖房のある部屋で遊んでいただろう。そんなことを口にするのは久しぶりだった。ローズは返事を急がず、窓辺の鉢植えを移した。工事の間は一人では重い家具を動かせないから、孫にも手伝いを頼もうという。暮らしは修理を待つ場所がいくつもあった。
二人の間にある沈黙は、以前ほど居心地が悪くなくなっていた。それでもジュリアンは、帰宅するたび玄関の靴の数を数えてしまう。




