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息子の死因を教えてください――ある母親の復讐  作者: 竜太郎


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石段の記者

ナディアは県庁前の石段で、診療所移転に反対する住民の話を聞いていた。乳児死亡の記事から一年が過ぎても、町には別の問題が絶えない。バスが減れば通院できない高齢者が出る。記事を書けば、先に載せてほしい話が毎日届く。

取材の後、彼女は古い慈善団体の会報を図書館で読んだ。輸送に関する寄付金は何十年も続いているが、活動内容は年ごとに曖昧になっていた。ある年には診療所の冷蔵設備、別の年には保存倉庫の改修。どれも違法とは限らない。

「新聞に書けますか」と学生の助手が聞いた。

「まだ。会報は宣伝でもあるから」

彼女は帰社し、裏付けのない見出しを消した。編集長は他社より遅れるなと言いかけ、彼女の資料の厚さを見て口を閉じた。代わりに翌日の町議会の記事を任せた。

夕方、封筒が一通届いた。差出人はなく、内部向けの配送表らしい紙が一枚入っている。用紙の隅には、シモンが教えた共同保全の符号があった。


配送表には日付の異なる三本の経路が書かれていた。ナディアは大きな地図を広げ、鉄道の廃線と新しい高速道路を比べた。匿名の告発者が示す倉庫は、記された時代にはまだ建てられていない。誤記か、後年の書き足しか。学生の助手はすぐ偽物だと言ったが、ナディアは二つの可能性を残した。翌週、保存運動を続ける元駅員に取材の約束を取りつけた。帰りに紙を折りたたむと、古い町名が裏面から透けた。地図の上では消えても、土地に住む人には残り続ける名前だった。


ナディアは匿名の紙を記事には使わず、印刷所の透かしと紙の年代を調べてもらうことにした。偽物であっても、その判断には理由が必要だった。

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