破れた青封筒
首都の会館では、保管台帳の古い封筒が破損したため、職員が修復の相談をしていた。青い紙は確かに使われていたが、中身は一般の請求書や鍵の貸出記録も多い。色だけで秘密を示すわけではなかった。
書記は修復担当から、封筒の裏に印刷所の印があると教えられた。印刷年を確かめれば、旧制度がいつまで使われたか絞れるという。
午後、会館に取引先の監査人が到着した。会議室では寄付金の使い道について厳しい質問が続いた。書記は資料を運び、何度も複写機を往復した。
書記は破れた封筒の角を保存用の薄紙で包んだ。修復担当は見た目を新しくするより、元の状態が分かるよう残すことが大切だと言った。
印刷所は一度移転しており、古い顧客台帳もすべて残っているとは限らなかった。書記は管理人を通じて連絡し、保存されている帳簿の閲覧方法を尋ねた。内線番号を照会すると、会館の過去の電話配線図では別の部屋につながっていた。そこは現在、寄付品の保管倉庫になっている。警備責任者は、昔の用途が変わる際に番号を使い回したのではないかと考えた。翌日、設備会社の記録を調べることになった。会館では講演会の後片づけが続き、椅子を運ぶ職員が廊下を行き来した。過去の連絡先を示す紙を持ちながら、書記は目の前の倉庫の鍵を閉めた。
補修された封筒の角は、元の紙より少し白く見える。書記は修復記録を付け、次に開く人が違いに驚かないよう注意書きを残した。
最後の封筒を開く際、監査人が小さな紙片を見つけた。印刷された欄には「責任者への報告済」とあり、名前はない。報告先の内線番号は、すでに廃止された交換設備を指していた。




