一枚足りない控え
エロディは旧原簿を照合し、三枚一組の移送証明のうち、三枚目だけが別の棚に保管されていたと分かった。以前は見つからなかったものだ。紙の大きさが違い、後から用式が改定された可能性がある。
立会人が中身を確認すると、三枚目には搬出の理由ではなく、承認を取り消した場合の戻し先が記されていた。ルカの検査資料と直接結びつく個人名はない。
倉庫では雨漏りを直す工事が続き、作業員が足場を移していた。エロディは記録を読むための席を確保し、他の利用者へ待ち時間を伝えた。
紙を戻す前、監査担当は三枚の控えを一列に並べ、穴の位置と用紙の厚さを確かめた。同じ束だった可能性はあるが、それもまだ鑑定を要するという。
三枚目の控えは本来、配送が取り消されたとき送り主へ戻す書類だった。エロディは保管棚のラベルを照合し、取り消し手続きの箱へ紛れていた経緯を調べた。若い職員は、これで行方不明の資料がすべて見つかったのかと尋ねた。まだ一覧に載る箱が残っていると答えると、肩を落とした。午後、利用者の一人が書庫の冷房が強いと苦情を言った。古い紙を守るための湿度と、人が長く座れる室温の両方が必要だった。エロディは毛布を貸し、閲覧席を日当たりのよい窓側へ案内した。楕円の印については正式な監査へ回し、職員だけで意味を決めなかった。
若い職員は昼休みに図書館から借りた本を読んでいた。エロディは調査が一段落したら自分も休みを取ろうと考えた。今日はまだ封印の確認が残っている。
その日の終わりに、書類の余白に押された小さな楕円の印が発見された。廃止印とも、新しい会館の印とも形が違う。監査担当は印影の写真を撮り、原本を戻した。




