屋敷の水道料金
屋敷の水道使用量が、管理会社の申告と合わないことが分かった。町の担当者は漏水を疑い、点検通知を送った。数年前に新しい配管へ替えられており、古い地下管から水が逃げている可能性がある。
オリヴィエは庭の散水設備を確認し、故障箇所を見つけた。無人の屋敷で大量の水が使われているという噂は、少なくとも一部が説明できた。
マチューは点検に同行しなかった。正式な捜索の根拠がないのに、町の仕事へ割り込むことはできない。
夕方、水道課から古い料金表が送られた。別棟への配管の存在が記され、廃止されたはずの使用者番号が残っていた。現在も水が流れているかどうかは不明だ。
町の担当者は安全確認を優先し、屋敷へ追加の点検を申し入れた。
点検の許可をめぐり、水道課と管理会社は何度か連絡を取り合った。漏水による地盤の緩みがあれば公道にも影響するため、町は安全確認だけは譲れない。管理会社は業者の立ち入りに同意したが、住居部分へは入れない条件を付けた。作業員は別棟の外壁を調べ、配管の一部が新しい材料へ替わっていると報告した。修繕の領収書は残っているという。マチューは町から正式に得られる資料を確認し、別棟が何に使われたかは判断しなかった。夜、オリヴィエの娘は庭の花の絵を描いた。仕事を失った父に渡すつもりだという。庭の持ち主より、世話をした人間が花をよく覚えていることもある。 地面の下の配管は、いつ誰が水を使ったかまでは教えてくれなかった。
夜、オリヴィエは家族と食卓を囲んだ。娘が学校の遠足について話す間も、彼は古い配管図に空白の部分があることを思い出していた。




