16 ネネリさん 白い場所に戻るなど
再びお姉さんに手を引かれ、ネネリは空を飛びました。
あれ? 太陽のランプのある館?
見覚えのある館に戻ってきたかと思うと、ポン、と言う音とともに、白い場所に着きました。寝床ではまだニニムが眠っています。
横の机には、すてきな食べ物が並んでおりました。
お姉さんはネネリを座らせると、お茶を淹れて差し出しました。
召し上がれ。
にこにことネネリを見つめるお姉さんを見て、なぜだか急に冷たいものが背筋を走りました。食べてはダメかも。
固まって動かないネネリを、ひたすらお姉さんがにこにこと見つめ続けています。
食べて欲しいな。
しばらくの間、ネネリとお姉さんは見つめ合っていました。
ネネリがさすがに食べた方がいいのかな、と思った時です。
眠っていたニニムがむくりと起き、机の上の食べ物を食べ始めました。
え! あ!
おいしいですね(もぐもぐ)、まるで夢のようです(ぱくぱく)、あ、お茶もいただきますね(ごくごく)
唖然とするネネリとお姉さんをよそに、ニニムが机の上のものをすべてきれいに平らげました。
おなかがいっぱいです。ありがとうございました。
ニニムは満足そうにおなかをさすりました。
おなかがいっぱいになるまで食べることが出来たのは久しぶりです。
ネネリははっとしてニニムを見ました。
嬉しそうな、哀しそうな顔でした。
伯父さんが街長の時は、トトルとリリエと一緒にごはんを食べていたのだけれど、父が街長を名乗ってからは、いろいろあってなかなか食事が取れなかったんだ。
もう思い残すことはないよ。
僕は冥府に旅立つのだろう?
お姉さんとネネリが口をそろえました。
違います。と。
遠くの方から、ケッコー! と鳴き声がしました。
ニニムがポヨンと太陽になりました。
ネネリはとてもびっくりしました。
そして、ニニムはああそういうことなのか、と満足そうに漂い、ポン! と消えました。
ネネリが呆然としていると、お姉さんが手をたたいて喜んでいました。
私、私のままだわ!
あなたもあなたのままなのね。
ごめんなさいね、私、あなたに太陽になってもらおうと思っていたの。
おなかが減っている状態で連れ回したら、我慢できずに太陽のランプの中の食事を食べるかな、と思っていたのだけれど、結局あなたは食べなかったわね。
ネネリは影に感謝しました。
影があのときパムをくれたので、ネネリはおなかが持ちました。
ここはどこなのですか?
ネネリは気になっていたことを聞きました。
ここは太陽のランプの中よ。
え、だってランプはあんなに小さいのに、どうやって入っているのですか?
ネネリは混乱しました。
私、縮んでいるのですか?
お姉さんはネネリの肩を両手でつかみ、目を見て言いました。
世の中には、深く考えない方が良いこともあるのよ。
は、はい……と答えるしかありません。
そこに、あ、おねーたんいたー、と声がしました。
ネネリはきょろきょろと周りを見ました。
そしてふと見上げると、大きな目がこちらを見ていました。
背中がぞわっとして、目の前が真っ白になり、気が遠くなるのを感じたネネリは、そのまま倒れてしまいました。




