清算
私は夏休みの宿題を1週間で終わらせた。みんなに「早いね。」と言われた。でも、私は計画なんて立ててない。ただ、衝動的に終わらせただけ。ただ、気持ちの波に振り回されただけだ。私は、やることがなくなると途端に不安になった。何度も宿題の表を見返して、見落とした宿題はないか探した。ないものを何度も探すのは苦痛だった。
私は部活動から帰宅する途中、あの路地、竹藪を見た。
会いたいな。……。会いたい。
路地を曲がれば…曲がるくらいなら、別にいいんじゃないかな…いや、もし会っちゃったら?何とかごまかせるんじゃ?いや、やっぱり不審だよ…どうしよう…
結局、私は、路地をちらちらと見ながら、また敢えて見ないで通り過ぎて、振り返りながら、夏休みの終わりには、告白をしよう、そうじゃなきゃ収まりがつかない…と決めていた。
告白の言葉などは、いちいち考える必要もないと思っていたが、「好き」という言葉で表し切れる感情でもない気もしていた。しかし、言葉の意味を考える以上に、私の頭を占めたのは、もし、「いいよ。」と言ってくれたとしたら、という、淡い希望だった。ただ、不思議と、「いいよ。」と言われたくない気持ちもあった。何となく、そんな言葉は得られないだろう、と、分かっていたし、そんな言葉を言ってしまうのは、祐介君ではないと思った。振られに行くことが、私にとっての禊であり、祐介君に、自分が好意を抱いたことへの罰というか、区切りというか、そんな感覚もあった。




