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量産兵のボクにチートなアドバイザー(オレ)がつきました  作者: 星野林


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伝説の武器探し 1

 翌日から早速スカーレットによる武芸の指導が始まったが、筋力とか身体のスペックは人間を超えているが、技術的な面では酷いという評価だった。


 特にウルフ、ポーク、モンキーの3人はなまじ独学で武器を振るっていた期間が長いから癖がついてしまって、そこを修整するのをやらないといけないとのこと。


「しっかし……強いな」


 ボクがボソっと呟くけど、今まで牢屋で閉じ込められていたり、片腕と片足を失っていたり、今はドラゴノイドとして尻尾や翼が生えて体のバランスが変わったりもしているのに、ネームドのハズのウルフ達を武芸の技術で圧倒。


「これで名前を付けたらどれぐらい強くなるのかね」


「あ、隊長」


 いつの間にかボクの横に隊長が来ていた。


「バーンだったらどうやってスカーレットを倒す?」


「そうですね……」


 マーキングした石を何個か持っておいて、投げつけることでスカーレットは反射的に避けると思うから、その瞬間にマーキングした石に瞬間移動の魔法で飛んで、認識外から拳を振るう……とかだろうか? 


 体にマーキングをつけてしまえばやりようはいくらでもあるけど……。


「というかスカーレットが瞬間移動の魔法を覚えたら手がつけられなくなりそう……」


「確かに……」


 息子のギムレットはエレンと一緒に体力を付けるために走り回っている。


 エレンもギムレットも年が近いし、人間から魔族に転生したため、気が合うのだろう。


 2人で仲良く一緒に走ったり、組手をしたりする姿が広がっていた。


「隊長、それと町に行ってきての報告ですが」


「聞こうか」


 ボクは魔族の人材枯渇が酷いことになっていることを話す。


 末端の知能の無い魔族を含めても、町では人間の方が数が多かった。


 従順な人間は身分を保障し、反抗した者や村から連れてきた者は奴隷へと落として階級を分けることで、不満を分散して統治を行なっていたけど、明らかに魔族の人数が足りてないことをボクは警告した。


「一目見たボクがそう感じたってことは、人間側の軍にも伝わっているはずです」


「ふむ……となると人間側の反抗作戦は思ったよりも早いかもしれないね……ちょっと地図を広げようか」


 隊長は持っていた地図を石のテーブルに広げると、ボクは覗き込んだ。


「隊長は将軍様が負けると思いますか?」


「うーん……将軍様が寝首をかかれるとか無ければ大丈夫だと思うけど……将軍様は無理して侵攻しているから兵達の不満は凄いことになってきているし……聞くところによると、取巻き連中が略奪品を着服して私腹を肥やしているらしいんだよね……配給も戦線が広がって、遅延……というか私達みたいに末端の部隊は現地の努力に任せているのが兵站が破綻している証拠でしょ」


《オレ》も指摘していたが、魔王軍は兵站軽視が酷い。


 それ故に勝ちきれないことが殆どで略奪を是としているのも現地調達を許可しないと軍隊を維持できないというのがある。


 〈取巻きの腐敗、兵站の破綻……まるで旧日本軍みたいだな〉


(旧日本軍?)


 〈なんでもない、別の国の軍隊だ。兵站が破綻して餓死者が続出したんだ〉


(なるほど……ここの魔王軍もそうなると?)


 〈細いけど補給兵が頑張っているうちは大丈夫だろうが……人間側も馬鹿じゃないから何かしら良い手を打ってくるだろう〉


 人間側も町に残された人達が全滅するような兵站を完全に破綻させて飢餓作戦に持ち込むのは流石にやらないだろうと《オレ》は言っていたから、多分少数の精鋭による将軍様の暗殺作戦が一番可能性が高いと言っていたが、隊長は飢餓作戦を行うと断定。


「貴族ってのは末端の民衆を人間ではなく動物と同じ感じに見ているから、町の住民が全滅しょうが魔王軍が弱るならって飢餓作戦を実行するだろうね……」


 2人が言っていることが分かれたのは珍しい。


 ただどちらもこのままだとここの方面軍は壊滅するだろうということを示唆していた。


「ここは僻地も僻地だから人間側が直ぐに攻めてくることもないだろうけど、砦を再建するような動きがあれば、ここは再び孤立化する。まぁ飛んで移動できるから大丈夫だとは思うけど、一応避難場所くらいは作っておきたい」


 その避難場所の目星をボクにやってほしいと隊長は言ってくる。


 また難儀なことを。


 〈別に良いんじゃね? ちょうど過去の英雄の装備品の回収もやりたかったし、そのついでに避難場所の候補地を決めておくのはイイんじゃないか? 〉


(それもそうだね……前から言っているけど、英雄の装備品ってそんなに強いの?)


 〈強いぞ……人間でも将軍様を殺せるようになるくらい強力な武器だったりするからな。なぜか人間側は使わないで放置されている場合があるんだが〉


(なんで放置されてるんだろうね?)


 〈さあ? 〉


 とりあえず隊長から地図を複写させてもらって、避難場所探しを始めるのだった。








(そう言えばボクにチンコ生やすのはどうなったの?)


 空を飛びながら《オレ》が指示した場所に移動しながら、最近忘れていたけど、チンコ生やすのはどうなったのか聞いてみる。


 〈勿論忘れたわけじゃないが、性別を変える魔法や魔道具、薬は伝説のアイテムだからな。そう簡単には手にはいらない〉


(ロゼリー博士に頼んだらできそうな気がするけど)


 〈ああ、あの天才ならできるだろうが、絶対に《オレ》が考案したような魔族牧場で種牡馬やらされるぞ。そしたら皆と離れ離れだ〉


(それは嫌だな……)


 〈だろ〜なに、入手できる場所は頭に入っているから安心してくれ〉


(うん……信じるよ)


 そうこうしていると、魔族の領地でも毒の沼がある場所に到着した。


《オレ》が毒沼をちょっと触ってみてくれって言われて手で触れるとピリピリする。


 ピリピリするけど、特に痛みがある感じではない。


 〈大丈夫そうだな。ここは過去に人間の英雄が命を落とした毒沼だ。まずは入り口に戻ってくれ〉


《オレ》の指示に従って、入り口と思われる石碑のところに行く。


 石碑には英雄の名前が掘られていて、ここに眠ると書かれていた。


 〈よし、じゃぁ歩数行っていくからその通りに進めよ〉


(ほ、歩数!?)


 〈まずは北に150歩〉


 歩数単位で調整されるとは思わなかったけど、とりあえず言われた通りに歩いていくと、数ある毒沼でも小さな沼がそこにあった。


《オレ》によるとここの底に英雄の武器が落ちていると……。


 こんなところに落ちていたらそりゃ拾う人いないよ……。


 とりあえずボクは毒沼に手を突っ込んでみると、思ったよりも深く、服を脱いで、下半身を突っ込んで底を探ってみると、金属の何かが指先に引っかかった。


 足で挟んで引き上げると、剣……にしては刃先がなくて、何か筒みたいな道具が出てきた。


 〈おお、伝説の武器のAK-47アサルトライフルだ! 〉


(あさ……え? なにそれ?)


 〈銃って武器種の武器だ。魔力を込めると鉄の塊を高速で打ち出す魔道具だ〉


 言われるがまま手に持つって、引き金って言われる出っ張りを引いて見るとガガガとけたたましい音と共に弾が発射された。


 ボクの魔力が少し持っていかれたっぽい。


 〈引き金を引いた者の魔力を使って、鉄の弾丸を自動的に高速で発射する魔道具。多分《オレ》と同じ上位存在が残したんだろうな。まぁゲームだとお助けアイテム扱いだったが〉


(もしかして英雄の武器ってこんなのが沢山あるの?)


 〈んーとりあえず行ける範囲にはもう2つだな。防具と魔法の杖が2本一緒に眠っているはずだ。よし、この調子で探しに行くぞ〉


(お、おー)


 というわけで、ボクは伝説の武器を探しに行くのだった。

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