表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

6話「限界」


「——っ!」


結界が、潰れる。


圧が一気に落ちた、その瞬間——


大和は、前に踏み出していた。


結界を、すり抜ける。


次の瞬間、背後で鈍い音が響いた。


さっきまで自分がいた場所が、完全に押し潰される。


「……あっぶね……!」


荒く息を吐く。


頬についた砂埃を乱暴に払う。


心臓がうるさい。


一歩、間違えていたら終わっていた。


顔を上げる。


「……静紀——」


言いかけて、止まる。


静紀は、こちらを見ていなかった。


その場に立ち尽くしている。


構えも、崩れている。


まるで——戦っていない。


「……おい」


違和感が走る。


その時だった。


空間が、歪む。


静紀のすぐ横。


だが——


避けない。


気づいていない。


「っ、危ねぇ!!」


間に合わない。


歪みが走る。


鈍い音。


静紀の身体が、わずかに揺れた。


遅れて、赤が滲む。


それでも——動かない。


視線の先。


静紀の目は、どこも見ていなかった。







——透明な壁。


叩く音。


小さな手。


内側から、必死に。


守ろうとして——閉じ込めた。


倒れている。


動かない。



——自分のせいだ。








「……また」


静紀の唇が、かすかに動く。


「また……同じことを……」



現実と記憶が重なったまま離れない。


視界は揺れたまま。


「……守れなかった……」


歪みが走る。


——それでも、動かない。


「——っ!!」


直撃。


肩口が裂ける。


血が、はっきりと流れる。


「……ふざけんなよ」


低く、声が落ちる。



大和だった。


一歩、踏み出す。


「勝手に終わってんじゃねぇよ」


もう一歩。


歪みが走る。


今度は大和を狙う。


紙一重で避ける。


踏み込む。


距離を詰める。


「守るとか言っといて」


さらに一歩。


「勝手に諦めてんじゃねぇ!!」



静紀の前に立つ。


初めて。


同じ場所に並ぶ。



「……や、まと」


静紀の視線が、わずかに動く。


そこにあったのは


庇われる側じゃない背中だった。



歪みが、二人を捉える。


空間が、再び軋む。


まだ終わっていない。


むしろ——


ここからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ