第7話「刻晶獣」
街へ到着すると、食堂へ向かう。
久々の本格的な料理を堪能しながら、今後の予定を話し合う。
「船に乗って北へ向かい、山にあるケセラム遺跡を目指す」
「長旅になりそうね」
食事をしていると、何度か訪れた体の熱さを感じる。
発光して現れたのは一回りも二回りも大きくなった獣だった。
かつて見たモモンガのような見た目は面影を残すだけになっていたが、三つに分かれた尻尾はそのままだった。
「うおっなんだこいつは!?」
グンダが驚いて手に持った肉を落としそうになる。
「成長したねスギヤマ、僕がこの世界に顕現できるようになったという事は伝える事がいくつかあるんだ。落ち着いて聞く準備が出来たら言ってほしい」
机に手を置く獣は、以前までと違い実体化しているように思えた。
「教えてくれ、一体お前は何なのか」
スギヤマが尋ねる。
「僕はレピリク。刻晶獣と呼ばれる異界の霊獣さ。刻晶を持つ者に仕える使者、加護を与える者。この世界には七つの刻晶が存在する。赤龍、黄天、青夢、緑壊、紫影、銀煌、金淵。刻晶の力を七つ集めた時、世界の理に通じる事が出来る。言い換えると何でも願いが叶うとされているんだ」
「何でも願いが叶う……」
「刻晶の力は三人まで契約で共有できる。それ以上は相手の刻晶獣を消滅させる事で力を奪わなければならない。そして刻晶獣は別の刻晶獣の居場所が分かる。つまり君はこれから狙われるって事さ」
「私も小さな獣が出てくる事があったわ。それが刻晶獣なのね」
シティスが思い出したように言う。
「君は黄天の刻晶か。スギヤマと契約するには刻晶獣の顕現を待つ事だね」
「三人まで契約で共有出来る、それと別の刻晶獣の居場所が分かる、それは契約する仲間を探すべきって事だろうか」
スギヤマが考えを伝える。
「お望みであれば今探ってみるよ」
「頼む」
「二人が一緒に行動しているね。単独行動が三人だ」
「単独行動の方を尋ねてみるべきだろうか」
スギヤマが疑問を口にする。
「おいおい、話に付いていけてないんだが、遺跡探索はどうなる?」
グンダが堪らず話題を元に戻す。
「目的は幻瑚の宝剣で変わらないですよ」
「幻瑚の宝剣?存在するか分からないものを探しているの?それは大仕事ね」
「刻晶持ちの力には感謝している。これからも頼むぞ」
再び一致団結すると食事を食べ終える。
その後、宿へ向かう事にする。
レピリクはいつの間にか消えていた。




