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グレイトディバイド  作者: 白煤芒洋


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第6話「新たな仲間」

 羽は生き生きとした青い色に変わり、羽ばたくと空に飛びあがった。


 像のあった場所は空洞になっていて何処かへ続く入り口に見えた。


 近付こうとすると、空から勢いよくライオンが降りてきて重い体を勢いよくこちらへぶつけようとしてくる。


 グンダは攻撃を躊躇(ちゅうちょ)していた。


 石の体に、剣の刃が通らないためだ。


 だがスギヤマの硬化した一撃も、勢いよく移動する相手には押し負ける心配があった。


 ライオンが襲いかかる動きを(かわ)して考えを巡らせる。


 どうにかして隙を見つけなければならない。


 ライオンは再び空へ飛びあがり、こちらへ向けて急降下してくる。



「……フェージキル」



 何処かから声が聞こえ辺り一面が(まばゆ)い光に包まれる。


 すると勢いのあったライオンの動きが遅くなり、ほとんど止まってしまった。


「あの入口に急ぐぞ!」


 グンダが叫ぶと、先ほどのライオンの像があった場所を目掛けて走り出す。


 入口へ入ると細長い道が続いている。


 そして気が付くと、同行者が一人増えていた。


 明るい黄色の長い髪を三つ編みにした、同じくらいの年代の女性だった。


「さっき動きを止めたのは君か?」


「そうです。だから付いて行くのを止めないで」


「こちらとしても心強いが、目的が同じだった場合は優先させてもらうぞ」


「私はシティス。どうぞよろしくね」


「俺はグンダだ」


「スギヤマです」


 挨拶を終え、道を進む。


 狭い道がしばらく続いていたが、水で満たされた広間に、浮くように石の足場が続く場所に繋がった。


 罠が仕掛けられていないか慎重に進んできたが、ここまでは無事だった。


 そしてゆっくりと水の上の足場を進んで行く。


 広間の中ほどまで進んだ所で異変に気が付く。


 進んできた足場が移動している。


 更に広間から続く出口はいくつもあり、どれが正解か分からない。


 進む方向を迷っていると、ちゃぷんちゃぷんと音がして、来た道が水の中に沈んでいく。


「走るぞ!」


 グンダが声を上げる。


 勢いよく出口の一つを目掛けて走り出す。


 広間から出るとそこにあったのは白骨化した遺体だった。


「行き止まりか」


 元の道へ戻ろうとすると、広間は完全に水没していた。


「泳ぐしかないな」


「何か出そうー」


 渋々泳ぎ始め、別の出口へ向かう。


 底の見えない濁った水を掻き分けて進んで行くと、問題なく地面に上がることが出来た。


 濡れた服が体に張り付く不快感はあったが、仕方がない。


 広間の先は更に地下へと進む階段だった。


 降りて部屋に入ると、足元から光の線が部屋の壁に広がっていく。


 カンッと音がして、部屋に明かりが灯された。


 部屋の奥から別の部屋に続いており似た構造の場所が続く。


 繰り返す部屋を抜けると、大きな円形の広間に出た。


 広間の天井は先の見えない暗闇になっている。


 中ほどまで進むと、パラパラと天井から小石が落ちてくる。


 警戒していると、巨大な赤い鳥が降りてきた。


(なんじ)らは血族の者ではないな。この先には進ません」


 鳥は羽ばたくと同時に大きな金切声を上げた。


 耳を押さえなければ耐えられない高音に、動きが封じられてしまう。


 (ひる)んでいるところに鳥は鋭い爪を振りかざし飛び掛かってくる。


 シティスが狙われ、咄嗟(とっさ)の所で避ける。



「こっちに来い!」



 スギヤマが大声を出して相手の注意を引く。


 狙い通り、スギヤマに爪を向けている。


 相手の攻撃が当たる瞬間、体に力を込める。


 鋼のように硬くなった皮膚を爪が弾く。


 隙を見逃さず、足を両手で掴み体重を掛ける。


 羽の根元からグンダが剣で斬り付ける。


 羽が深く傷付くと、鳥は飛ぶ事をやめて、力なく動かなくなった。


 鳥をやり過ごし、広間の奥へ向かう。




 奥には1m程の大きさの石の箱が置いてあった。


 開けてみると中には朽ちかけた旗と、宝石で彩られた小さな盾が入っていた。


「この盾は貰っていくわ」


 シティスが目の色を変えて(つぶや)いた。


「ああ、探していたものじゃない」


 グンダは興味がなさそうに答えた。


 一行はもと来た道を戻って遺跡の外へ出ようとしたが、出口をライオンの像が塞いでいた。


 像の足を探っているとライオンが動き出し道が通れるようになった。


 ライオンは入った時とは違い、こちらを襲っては来なかった。




 森を抜け、街道へ戻ると焚き木をして休息を取る。


「シティスのあの術を見て思ったんだが、君も刻晶の持ち主だな」


 グンダが切り出す。


「あなたもこの石があるのね」


 シティスはそう言いながら首にある刻晶を見せる。


「いや俺ではなくスギヤマがそうだ」


「体が傷付かなくなったり助かってるよ」


「私の術は相手の動きを遅くするのよね。逃げるのには役立つけど、攻撃するには急所を狙わなくちゃいけなくて大型の妖獣には敵わない。」


「シティスはこの後どうするんだ?」


 グンダが尋ねる。


「この盾を高く買い取ってもらったら、当分の生活費にはなるかな。でも職があるわけではないし、どう?一緒に妖獣狩りでもしない?」


「俺は生活費には困っていないがそうだな、君の術も役に立つから、遺跡探索をしないか?

旅の費用は出すし、目的の物が見つかったら報酬を出そう」


「それはいいかもしれないわね。それじゃあよろしくね」


「こちらこそよろしく。まずは休息と補給だな。ホセテアの街へ行こう」


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