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グレイトディバイド  作者: 白煤芒洋


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第5話「アレバルン遺跡」

 一晩休むと、次の日は酒場で飲み交わしながら計画を練る。


「今度の目的地は森の中だ。アレバルン遺跡と呼ばれている」


 グンダがそう告げると、三日休息を取って出発する事となった。


 携帯食を買い込み、準備をすると旅に出る日がやってきた。


 早々に立ち去ることになった街を後にすると、しばらくは街道に沿って進んで行く。


 やがて森が見えてくると、道も途切れてしまった。


「あの森の中に遺跡があるはずだ。落ち着いて進もう」


 湿った空気が立ち込めた、鬱蒼(うっそう)とした木々の間を掻き分けて行く。


 見た事もない虫が飛んでいて、時折高い声で鳥が鳴いている。


 同じような光景が続き、果たして遺跡が見つかるのかどうか不安になり始める。




 日も暮れ始めた頃、湖とも沼とも知れない場所に出た。


 足を取られないように慎重に進んでいると、水面が激しく波打っている。


すると、水の中からアンコウの様な頭部を持つ人型の生き物が飛び出してきた。


「妖獣か!」


 グンダが構えを取る。


 次々に陸へ上がると、その数は四匹になった。


 ゆらゆらと上半身を揺らしグゲッグゲッと呻いている。


 その内の一匹が腰に手をやると口から勢いよく液体を吐き出した。


 咄嗟(とっさ)に避けるが、手の甲に掛かる。


「熱っ」


 焼けるような痛みを感じ、見ると赤く(ただ)れている。


 不意の攻撃に、攻めあぐねる。


 するとグンダが素早く剣を振るう。


 二匹の片腕を落とすと、走って距離を取る。


 止まっていると狙われてしまう。


 グンダと逆方向に走り相手を分断する。


 液体の攻撃には予備動作がある。


 相手の動きをよく見て腰に手を当てた時に走り出す。


 吐き出した液体を(かわ)し、短剣で足を斬り付けていく。


 相手を(ひる)ませた所をグンダが斬り付ける。


 そうして四匹を転倒させると、それぞれ止めをさしていく。


 何とかやり過ごしたが、左手に傷を負ってしまった。


「大丈夫か?」


「利き腕じゃないんで、大丈夫です」


 軽快に返したが、当たり所が悪ければ命も危なかった事態に、内心穏やかではなかった。




 湖を抜けると、再び木々がひしめく中を進む。


 夜になっていたので休みを取ることにした。


「交代で見張りをしよう、先に眠ってくれ」


 グンダがそう話すのを聞くと、木を背にして座り込んだ。


「分かりました」


 昼のざわめきとは違い、夜の森は静まり返っていた。


 何かが出てくる心配もあったが、グンダが見張っていてくれるおかげでしっかりと休息を取ることが出来た。




 そしてお互いに眠りを取ると、朝を迎えた。


 携帯食で腹ごしらえをすると、遺跡を目指し進み始める。


 しばらく進むと再び沼へ出てきてしまった。


「おかしいな、迷ったか」


 グンダが怪訝(けげん)な表情でそう(つぶや)くと、辺りの様子を探る。


 倒した妖獣の死体も残っており、同じ場所だった。


 今度は逆回りに湖を進んでみる事にした。


 そしてやはり同じ場所に出る。


「奥へ進もうとしても、一周してしまう」


 考えつつ湖を回っていると、小舟がロープでくくり付けられているのを見つける。


 オールも備え付けられていて、古いが乗れそうだった。


 霧が立ち込める湖を小船で進むと、やがて陸地が見えて来た。


 降りて進むことにする。


 変わらない景色だが、今度は同じ場所には出なかった。


 見えて来たのは石で出来た建造物だった。


 テニスコートよりも広い範囲を等間隔の不揃いな石柱が(おお)っている。


 中心部へ段々と低くなっていき、中央には祭壇のような物があった。


「ここは集会所のような所か。もっとよく調べてみよう」


 グンダが隅々まで目を光らせる。


 石柱で囲まれた空間の奥にも遺跡は広がっていた。


 さらに深く進むとライオンのような生物に羽を生やした精巧(せいこう)な像が配置されている。


 その手前には石板が置いてあり、読めない文字で埋め尽くされていた。


 石板の裏を調べてみると球体の石と、球体と同じ大きさの(くぼ)みがあり、明らかに動かしてはめる仕組みになっていた。


 グンダに伝えると、用心しながら動かすことにする。


 両手で押して動かすと、しっかりと(くぼ)みにはまった。


 するとライオンの像が揺れ始め、首をかしげるように動き出した。


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