第28話「交戦」
スギヤマ達は城を後にすると、フィルクセップを出て西へ向かった。
進むと、山が見えてきたので登り始める。
日も暮れ始め、山腹で野宿する事となった。
「交代で見張りをしよう」
スギヤマがそう言うと、妖獣を警戒して朝まで眠った。
翌日、軽く食事を取ると再び山を進む。
山は人が通るように道が整備されていて、迷う事もなく抜ける事が出来た。
そうして歩き続けると、門が見えてくる。
「この先はトルクメア国だ、目的は?」
門番が尋ねる。
「行商です。商品を仕入れに来ました」
「何、それでは許可証を見せて貰おう」
「シティス、頼む」
「フェージキル」
近付いてくる門番にシティスが術をかけると、門番の動きが遅くなる。
その隙に素早く通り抜けた。
やがて建物が見えてきて、人が生活している街に辿り着いた。
奥には巨大な城が聳え立っていた。
「レピリク、刻晶持ちの居場所を教えてくれ」
「単独でいるのは、城の中だね」
「そうか、城に入ったら案内を頼む」
「わかったよ」
城の衛兵にシティスの術をかけ、侵入すると、レピリクに確認しながら先へ進む。
「この先にいるみたいだ、気を付けて」
三階の広間に着くと、そこには禿頭の片目に眼帯をした男が座っていた。
「よぉ、どうやってここまで来た?」
立ち上がり、首を伸ばす動きをしながら話しかけてくる。
「フェージキル!」
「何か体に痺れが走ったが、何かしたか?」
「キエラはどこだ?」
「国王が来ないんじゃ教えらんねぇな、聞きたきゃ力ずくで聞けよ」
タッ、っと男が駆けだしたかと思うとシティスの横に移動していた。
男はシティスの腕を掴み捻り上げる。
「雷焔の影槍!」
槍が男目掛けて突き刺さる。しかし、男は素早く躱し、スギヤマの後ろに回り込む。
「怨嗟掌!」
男が掌をスギヤマの背中に叩きつける。
スギヤマは体を固め防御する。
ドンッと内臓の深い所に響くような感じがしてスギヤマはふらつく。
「かはっ」
勢いよく吐血したスギヤマ。
すかさずシティスがかけより治癒術をかける。
「それは怠いな、じゃぁさっさと終わらすか、『闇封』」
男の体から黒い霧が噴き出し辺りを包んでいく。
完全に視界が塞がれ、男の動きが分からなくなる。
「あぁっ」
リルの声が響く。
その後再びスギヤマの体にも先ほどと同じ衝撃が走る。
更にシティスにも打撃が加えられる。
外が騒がしく、銃声や人の悲鳴が聞こえてくる。
「おや、どうやら戦が始まったようだぜ、これまでにない大きい、な」
霧が晴れ始め、スギヤマとリルの元へ駆け寄り治癒術をかけるシティス。
サルバはその場からいなくなっていた。




