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グレイトディバイド  作者: 白煤芒洋


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第22話「報酬」

 スギヤマ達はディラムの街で兵士の詰所へ向かう。


 中に入ると数十名の兵士が訓練をしていた。


 壁で腕を組んでいた兵士がこちらを見つけ近づいてくる。


「どうした?お前達」


「私達ヴィーズを倒したわ、討伐対象でしょ。確認して頂戴」


「何だと、烈妖獣を倒す者が出るとは……。待っていろ、調査隊を結成する。場所を教えてくれ」


「東の山の渓谷よ」


「そうか、ではしばらく待っていてくれ」


 そう言うと兵士は慌ただしく奥に消えていった。


 やがて時間が経ち兵士が戻ってくる。


「待たせたな、同行を頼む」


 スギヤマ達は調査隊と共に渓谷へと向かった。


 竜の死骸は同じ場所にあり、復活してはいなかった。


「確かにこの大きさ、首の数、鱗の様子から、『双邪竜(そうじゃりゅう)ヴィーズ』であると確認した、上へ報告した後、支払いが行われるだろう」


 手続には一週間程かかると言われ、街で過ごす事になった。



 別行動を取っていたスギヤマ達とリルだったが、この日は一緒に街を回っていた。 


 スギヤマが話を切り出す。


「ところで契約の件だけど、俺達と一緒に戦ってくれるか?」


「そうねー、私はこの生活に満足してるのよ。願いっていう願いがないのよね」


「そうか……」


「あっ、一つあったわ。私ここ一年程の記憶しかないのよ。気が付いたら力を手に入れていて、以前どんな生活をしていたか思い出せない。だから過去の記憶を取り戻してみたいような」


「辛い記憶の可能性もある」


「それでもいいわ、それにいつまでも襲われる事を警戒していなくちゃいけないのも厄介だし、先手必勝よ。ただ、あと一体烈妖獣を倒してからにしてほしい」


「どうしてだ?」


「稼ぎの事もあるし、戦術の練度を上げたいのよ」


「そういう事ならわかった。烈妖獣の情報は?」


「国の調査隊が教えてくれるはずよ、確か名前は『朧鯨(ろうげい)キアニア』、私が知っているのは嵐の海に現れるという話だけ」


「海か……。手こずりそうな相手だな、まずは詳細を聞きに行こう」



 スギヤマ達は兵士の詰所に向かい、休憩をしている兵士に話を聞く。


「キアニアだと?まず普通の船じゃ怒らせた段階で沈められてしまう。頑丈な船と、嵐の中で正確な舵取りを行う操舵(そうだ)手が必要だな。だがヴィーズを倒したお前達には国から手練(てだ)れの船員と大型の船を持つ船長を紹介してやれるだろう」


「それは助かります」


「待ってろ、上に話を付けてくる」


 しばらく待ち、兵士が戻ってくる。


「二週間後に船が用意できる。その日になったらこの証書を青い船首の船の船長に渡すように」


「わかりました」


「それとヴィーズ討伐の金貨の引換証書がこれだ。貨幣預り所に持って行くといい」


「やっと来たわね」


 リルが嬉しそうに言う。



 一通り話を終えると、スギヤマ達は貨幣引換所を探した。


「この建物か」


 中に入ると警備の兵士が二人立っていて、カウンターでは眼鏡をかけたウサギが椅子に座っていた。


「いらっしゃいー。要件は何だい?」


「この引換証書を頼みます」


「おや、確かに財務(きょう)の書いた物だな。なになに、金貨100枚を国庫から支払うとの事か。よし、待ってな」


 そういうと鍵をぶら下げ、奥の扉へ入っていった。それほど時間を待たずにウサギが袋を背負って戻ってくる。


「確認するぞ、10枚……20枚……100枚だ」


「確かに受け取りました」


「お疲れさん」



 金貨を手に入れたスギヤマ達は宿へ向かった。


「33枚ずつだな、1枚は宿代にしよう、宿代は一人銅貨20枚か」


「お釣りで美味しい物でも食べましょう」


 シティスが提案する。


 賑わっている食堂に行き、普段の注文より高い値段の物を頼む三人。


 遅くまで飲み喰いをして、満腹になって眠る。



「銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚」


「金貨1枚で高くない宿なら一人50泊出来る、食事代が一日銅貨20枚として金貨1枚で50日分、金貨33枚だと約二年の生活費か、リルの言ってた通りだな」


「キアニアはもっと貰えるわよ、海運を妨げているから、その分報酬も高いはず」


「それは気合が入るな」


 そうして予定の日がやってくる。スギヤマ達は港へ向かった。



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