第21話「双邪龍ヴィーズ」
翌朝スギヤマ達はリルと合流すると東の山の渓谷へ向かった。
渓谷で焚き木をし、妖獣を誘い出す。
半日程経った頃、触手を生やした猿のような妖獣が二匹現れた。
シティスが動きを止め、術が切れれば、スギヤマがおびき寄せる。
リルは槍で倒さない程度に攻撃を加えていた。
しばらく粘っていると、空を大きな影が覆った。
鈍く光る鱗を持つ、二つの頭を持った竜が現れた。
猿のような妖獣は、驚いた様子でどこかへ逃げていった。
「来たわね。ここからが本番よ」
リルが気合を入れ直すと、影で作り出した槍を投げつける。
「雷焔の影槍!」
槍が電撃に包まれ、竜の首を一刀両断する。
片方の首が落ち、もう一方の首を振る竜。
切れた首からは黒い血が噴き出しているがやがて収まり、再び首が生えてくる。
激昂した竜は爪を振るい、リルを狙う。
シティスが術を唱え動きを遅らせる。
爪の動きは止まったが、尻尾でスギヤマ達を薙ぎ払う。
スギヤマは咄嗟にガードをして衝撃に耐えたが、シティスとリルが吹き飛ばされる。
「いたた……」
「フィーア!」
シティスが治癒術を唱えると、リルの体が光に包まれ痛みが和らいでいく。
「ありがとう!やってくれるわね!」
リルは槍を作り出し、足を目掛けて攻撃する。
太い鱗が割れ、竜は体勢を崩す。
すかさずスギヤマが追撃する。
「圧殺!」
首が潰れ、竜は倒れた。
しかし、再び片方の首を振って潰れた首を再生する。
「これじゃキリがないぞ」
「そうね……首を同時に狙ってみない?」
竜は飛び上がり、青黒い炎を勢いよく吐き出した。
走って避ける三人は、岩陰に隠れやり過ごす。
息を吐くのを止めた所をリルが狙う。
リルが放った槍によって竜の羽が切断され、落下する。
「今よ!」
「圧殺!」
「雷焔の影槍!」
同時に二つの首が破壊され、竜は動かなくなった。
「やったわね」
「二人ともお疲れ様」
シティスがほっと胸を撫で下ろす。
「あとは、これを国に報告して報酬を貰うわ」
「街へ戻ろう」




