第17話「妖獣喰い」
「おぅ、スギヤマか、大活躍だったな。獣の方に賭ける奴が多いおかげで大儲けだ。約束通り魔導士に話をつけてやる。こっちに来な」
そう言うとゼリトは席から立ち歩き出す。
一際広く取られた座席の所に行くと、顔に痣のある女性が座っていた。
「レアラ姉さん、話をしていた三人組だ」
「ええ、楽しませて貰ったわよ、スギヤマ。勝ち抜いた者には賞金が出る事になっているけど、何やら訳ありのようね」
「幻瑚の宝剣を探しているのですが」
スギヤマが言う。
「今は妖獣喰いとなってしまったかつての戦士の事ね、剣を手に入れるのであれば倒すしかないわ」
レアラが憂いのある表情で言う。
「戦士はどうなるの?」
シティスが尋ねる。
「もはや心を失い、肉体は作り変えられているわ。活動を停止した時、残るのは剣だけね。でも剣の姿を維持するためには、刀身に血を与え続けなければいけないのよ」
「呪いのようなものだな。解くことは出来ないのか?」
グンダが眉をひそめて言う。
「出来るわ、その代わり剣は力を失い、切れ味は鈍り、その名の通りただの宝剣になるわよ」
「いや、それでいい。俺達が剣を手に入れた後は呪いの解除を頼む」
「わかったわ。居場所を探知する魔力を込めた地図を作ってあげるから、明日また来なさい。この会場に部屋がいくつかあるから案内するわ」
レアラはそう言うと立ち上がり、スギヤマ達を誘導する。
案内された部屋は質素なベッドが備え付けられた部屋だった。
「いよいよ宝剣が目の前ね」
シティスが言う。
「あぁ、俺一人では手に入れられなかっただろう、感謝している」
グンダがしみじみと言う。
「ところで燐火団の刻晶持ちを見かけないな」
スギヤマが首を傾げる。
「なーなー、あいつは今だいぶ遠い所に移動してるよ」
デコが知らせる。
「出会わないといいが、あの能力は厄介だ」
グンダが顔をしかめて言う。
「レピリク達は麻痺毒が効かないんだな」
スギヤマが言う。
「僕たちは体の作りが違うからね。いつか言ったと思うけど、霊体みたいなものなんだ。ただし戦闘能力はないけど」
「そうか、何かしら対策を練らないと駄目だな。疲れたからもう寝るよ」
スギヤマはそう言うとベッドへ潜り込んだ。
「おやすみ」
明かりを消してシティス達も眠りについた。




