第13話「宝剣の行方」
そうして再び一週間が経った。
「大分待たせたが、ようやく宝剣の情報が集まった。宝剣はこの世にはない。いや、正しくは姿を変えているというのが現状だ」
「姿を変えている……?」
スギヤマが驚いた様子で言う。
「過去の激しい戦において活躍した戦士が使用するために、邪教の魔導士の魔術によって錬成された剣というのが正体らしい。大いなる力を与え、持ち主の寿命まで伸ばすという。
しかし代償として、血を与え続けなければ持ち主を取り込んでしまう。そうして過去栄えた国では使用した戦士が異形となり剣も消えてしまったらしい」
「それじゃぁ手に入らないじゃないの」
シティスが口を挟む。
「取り込んだという点が肝心だ、そして異形になっている。異形の行方が剣の行方だ」
「異形の行方って……。遺跡探索の方がまだ分かりやすかったわよ」
「時間がかかったのはその為だ、異形の行方も大体掴めている。過去栄えた国、それは現在はガテリヤという国として存在している。つまりこの国だ。そして異形は妖獣を捕食するらしい」
「それがこの国の周りに妖獣がいなかった理由か」
「でも異形を見つけたとして、もう剣じゃないんでしょ。それにそんな危険な剣なんて必要なの?」
「剣を作った魔導士に話を聞く必要がある、既に生きているとは思えんが。それと剣が必要な理由は今は話せない」
「そう。でも一気に手掛かりにたどり着いたわね」
「まずは魔導士探しですか?」
「そうだな、国中で話を聞いてみよう」
スギヤマ達は朝から通りや広場にいる人々に聞き込みを始めた。
殆どの人は魔導士など知らないという反応だった。
三日程続けた午後の事、シティスは路地裏にいた額から角を生やした小柄な女性に話を聞いていた。
「魔導士ねぇ、燐火団の一部は襲った相手に呪いをかけるというけど関係あるかしら」
「どんな呪いですか?」
「体の一部から植物が生えてくるそうよ、腕が曲がったりして不自由になるって」
「ありがとうございます」
日も暮れて夕食を取りながらそれぞれ報告をする。
「かつていた魔導士たちは迫害されて国から追い出されたらしい」
グンダが切り出す。
「燐火団に魔術を扱う人物がいるみたい」
シティスがパンを食べる手を止めて言う。
「魔導士たちの残党が燐火団にいるのか」
スギヤマが話に加わる。
「では厄介だが燐火団に接触する必要があるな、何か手掛かりはあるか?」
「刻晶の持ち主が燐火団にいるようです。レピリクに聞けば場所が分かるかと」
「そう遠くないね。西の方角で留まっている」
レピリクが言う。
「よし、明日準備をしたら尋ねるぞ。気を引き締めていこう」




