8話「兄はつらい」
シリルは深呼吸をした。
「怒らないでくださいね。お母様、お父様。簡潔に言います。僕達は3人で王城の端の地下に密かに魔法を使い、秘密の訓練場を作っていました。」
「なに?」
ヴァルドの視線が凍てつくようにシリルに刺さる。
シリルは、視線を右往左往させる。
当然両親の顔なんで見れるわけがない。
「そして、アルが最近知った魔法の実験を三人でかくれんぼと偽り、練習していました。アルとエマは天才ですから、威力も計り知れないのです。なので普通の訓練場で行うには危険が伴いすぎました。そして、アルが3度連続で魔法を放ったときに、訓練場が崩壊寸前の状態になりました。僕の防御魔法で崩壊は免れましたが、エマはその時に恐怖を感じてしまったようです。そしてそのまま帰ってきたら、大騒ぎになっていました。以上です」
シリルは、簡潔に理由を説明した。
余計なことを言わないように。
「はぁ〜。そういうことか⋯リカどうする?」
そういいながら、ヴァルドは泣き止まないアルを抱っこしてあやしていたオフィーリアに聞いた。
「シリルが言っていることは矛盾していませんね。正しいと思いますわ!私の意見としては、その『秘密の訓練場』というのをそのまま使ってもよいと思います。もう、好きにしなさい!」
呆れた顔でシリルを見つめる。
そして、続ける。
「シリル。私は秘密にしていたことを怒っているのではありません。お願いだから一言誰でもいいの。誰かに帰りが遅くなります。とそういうことを言ってくれていればいいのよ。お願いよ。もうこれ以上私達を心配させないで。私はあなた達を愛しているのよっ!」
オフィーリアに泣きながら言われてしまった。
親は子の涙に弱く、子は親の涙に弱い。
「ごめんなさっい!ひっく⋯うああああん!」
シリルは泣いてしまった。
この状況で泣かないほうが無理だ。
「ねぇリアム。あなたの若い頃にそっくりね」
そう笑いながらヴァルドに微笑みかけるオフィーリア。
「うるさいなぁ。リカ。子どもたちには黙っとくって約束だったのに」
そう言いながら横を向き、口をもとを手で隠す。
その後は久々に家族団欒の時間を過ごした。
訓練の時の様子を楽しく笑いあった。
とても楽しかった。
その夜は久々に家族みんなで一緒に寝た。
アルとエマの部屋は一緒なので、今日は両親とシリルも一緒だ。
アルとエマの部屋には、二人の体調がどんなに急変しようとも、応急処置ぐらいはできる設備があり、広い。
そのため、二人に何かあっても対応できるように、今日はその部屋で家族みんな一緒だ。
やはり両親の温もりは偉大だなとおもった三兄弟であった。
読んでいただき、誠にありがとうございます。
一章完結となりました。二章は、本日の午後に投稿しようかなと思っています。
~予告~
次回は、新キャラの登場や葛藤などが登場!
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