49話「変な部屋」
「さて、どうしたものか。あと体温を測る時間まで12分あるし、何をしようか。」
シリルたちは頭を抱えていた。
「ここにある医療器具の確認をしてはいかがでしょうか?幸いにも私達は皆、医学を選択しています。基礎的な知識はあるので⋯」
キースが提案した。そのとおり、3人は10ある選択のうち医学を選択しているのだ。
「そうだな。この部屋を動かなくていいし、それがいいだろう。」
ルーカスは賛同した。
「それがいいと思う⋯しかし、この部屋には一体どれだけの医療器具があるというのだ?」
シリルは部屋を見てびっくりした。
やたらとチェストや戸棚や本棚が多い部屋だとは思っていたが、本も医学書だし、戸棚の中身も全部が医療器具だった。
「うっわ。これなんだ。」
ルーカスが手にしたのは、よくわからない魔道具だった。
「これは⋯呼吸器なるものではないでしょうか?」
キースは少し屈んでルーカスを覗き込むように言った。
「実物ははじめて見たな。教科書でしか見たことない。」
シリルが興味深そうに覗いた。
「呼吸器⋯これが⋯というかすべて2つあるな。」
シリルは好奇心をそそられるようだ。
「これは?薬か?この棚一面?」
たくさんの薬が入った戸棚があった。
何種類あるのかわからないほどたくさん入っていて、ぎゅうぎゅうだった。
「そのようですね。」
3人はまじまじと棚を見上げていた。
「おかーしゃまは〜?」
「いないねぇ〜アリュウ。」
双子はエドの魔法が切れてしまったようだ。
「起きたのかい?アル、エマ。」
シリルはできるだけ穏やかな口調で駆け寄った。
ルーカスとキースもできるだけ微笑んだ。でもその裏には焦りが隠しきれていない。
「そろそろ体温を⋯」
キースは言った。もうすぐ15分経つのだ。
「アル、エマ。ちょっとごめんね。痛くないから。」
シリルはそっと二人に体温計をさした。
「ピピッピピ!」
今回も10秒ほどで大きな音がなった。
「下がっててほしいんだが⋯」
3人は祈った。
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