40話「メニュー」
「アル、エマ。僕と一緒に卒業しよう?今年で卒業する予定なんでしょ?それなら君たちを信じるよ。」
シリルが突拍子もないことを言いだした。
「お兄様?」
「はい?」
意味がわからない。シリルには早期卒業をする必要がある理由はないはずだ。
「だってさ、兄が弟妹よりも学年が下なんて嫌だもん。卒業資格を君たちよりも早く取ってみせるさ。それに君たちが優秀過ぎたら、いくら体がその、あれでも⋯次期国王にとか言う人が出てくるもん。それなら僕が早く卒業する。どのみち今年に卒業資格を取ったものはまとめて卒業式なんだから、一緒に卒業すればいいじゃないか。」
理由はあった。兄としてのプライドが許さないのだろう。
「わかりました⋯」
「はい。」
もうここは折れるしか方法がない。
コンコン。
扉がノックされた。
「失礼いたします。お食事をお持ちいたしました。今日はあまりお時間がございませんので、通常コースとしてお出しするものを一度に出させていただきます。」
なんと。今日はいつも通りではないらしい。
「本日は料理長の力作でございます。まずアルフレッド様とエメライン様からです。」
通常は親からだろうが、それを待っているとあれなので、年齢が低い順に出してもらっているのだ。
「本日は冷製コーンスープにミニハンバーグ、エビフライ、オムライスでございます。デザートはプリンでございます。」
可愛いお皿と、両手で持てる落としにくい小さなカップに入ったコーンスープ。それにお皿に入ったプリンだった。美味しそうだ。双子は熱いものが苦手なので、コーンスープを冷まして提供してもらっているのだ。
「次はシリル様でございます。温かいコーンスープに牛フィレ肉のステーキ、じゃがいもグラタンと温野菜を添えて〜でございます。デザートは季節の果物のクリームブリュレのハーフサイズでございます。」
シリルのものは双子よりも少し大人びたメニューだった。双子と全くメニューが違う。
「続きまして、陛下とヴァルド様のでございます。」
「アミューズ・ブーシュはとれたての雲丹に人参を添えて。オードブルはサーモンと季節の野菜のテリーヌのハーブソースがけでございます。本日のスープは温かいコンソメスープでございます。ポワソンは白身魚のポワレに白ワインとバターのソースがけでございます。グラニテはレモンとシャンパンのシャーベットでございます。ヴィアンドは牛フィレ肉のローストに黒トリュフのペリグーソースがけでございます。最後にデザートは季節のフルーツを添えたクリームブリュレでございます。」
一気にテーブルに大量の料理が運ばれた。料理長の力作なだけあるな。今日はやたらと豪華だし、みんなの好きな食べ物が凝縮されている。
「アル、エマ。入学おめでとう!乾杯!」
今日は両親はお酒を控えるようだ。みんなで果実のジュースを楽しんだ。
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