36話「テーリア王家の秘密・戦い方」
「さ、ここよ」
その部屋には歴代の国王はもちろんのこと、王族までものすべての肖像画があった。
ただ、1人だけ描かれているのは国王だけで、それ以外の家族は代何代の国王の一家として書かれている。
ただ、国王以外の王族でも1人で書かれているのは複数名いた。
そこにある人は、王国へ多大なる貢献をした人だとか。
「あったわ!ハンス・ヒューイ・フォン・テーリア⋯この人ね」
ハンスはその貢献をした人の方にあった。
「うっわ」「わー」
本当にそっくりだった。
プラチナブロンドの明るい金髪にアメジストを光に当てたような明るい紫。
とっても美しかった。
だが、この肖像画だけがなぜか白衣を着た姿。
なぜなのかはよくわからない。
ハンス以外の人はすべて王族の正装で写っているからだ。
やはり彼が根っからの研究者だったということなのだろうか?
「改めてみると、やっぱりそっくりねー」
オフィーリアは言った。
3兄妹と容姿がよく似ている。
「ここで、貴方たちに話さなくてはならないわね」
何やら神妙な空気になる。
3人はなんだろうかと母の次の言葉を待つ。
「私はねサファイアみたいな碧眼でしょう。貴方たちはアメジストのような紫眼。これはね、我が王家の血の濃さが反映されているらしいわ。青や紫。この色はね、王家の血を引く者にしか現れない特別なものなの。紫に生まれれば王家の血を濃く引き継ぎ、なにか特別な力が使える。青ならばただの王族。こういう法則よ」
オフィーリアは衝撃な事を言った。
つまり3兄妹は強い力を持って生まれたということだ。
「身近なところにもう一人紫眼をした人がいるわよね?あと、青も貴方たちの近くにいるわね」
オフィーリアは我が子に訪ねた。
「紫はお父様だっ!」「青はキースですね」
エマとシリルが答えた。
「ええ。ご名答よ。リアムは30いや29だったかしら?そのくらいの時の国王の王弟が建国した家の出身なの」
双子はリアムの出身は初めて知った。
「当時の王弟は騎士団長として兄の国を辺境の魔物の脅威から守っていたの。だから代々軍人で辺境伯なのよ」
お父様も軍人だったのはそのためなのかな。
「他の人に言ってはだめよ?リアムはね、強力な力を持っていたの」
なんだろうか。
「それはね、部下にするだけで自分の3分の1程度の力をそれぞれに上乗せできるの」
すごいな。
「これね、本人が弱かったら逆効果なんだけどね、リアムは恐ろしいほど強かった。だから王配になったのよ」
ヴァルドは強い。
多分だけど単純な剣技で競ったらガリウスよりも⋯
「ガリウスが表ではトップだけど、本当は違う。ガリウスは現場の指揮を取る人。軍を動かすのも戦略を立てるのも命じるのも全てリアムがしてるの。だから近衛騎士団は類を見ないほど強いのよ」
ヴァルドはどんだけたくさんの仕事をしているのだろうか。
「最近忙しそうでしょう?魔物が活発化しているの。お陰でみんなに会えないって嘆いてるわ」
だから、お洋服のとき来れなかったんだ。
「リアムの生家のシーリアーン辺境伯家は今貴方たちの叔母のカーシェラが当主よ。でもね、後継ぎがいないの。だからいずれはアル。貴方が継ぎます!」
その言葉を聞き、アルはぽかんとする。
だが、どう考えてもアルだ。いや、アルしかいない。
女性は男性の後継者がいなければ継ぐことができる。
だが、シリルは王に。アルは何もない。そして、エマはどこかに嫁ぐことになるのかもしれない。
そう考えると、アルが筆頭候補だ。
「今度義姉に会いに行こうかしら?現地視察と評して」
「行きたい!」「叔母様に会いたい!」「僕も!」
3兄弟は、目をキラキラと輝かせる。
「ってことでね、ハンス様も何かしらの力が使えたはずなの。でもそれがなにかはよくわからないわ。ちなみに兄妹で紫眼なのは歴史上、貴方たちとハンス様と妹さんだけね。妹さんは早くに亡くなってしまったみたいで、名前は残っていないのだけれどね。他は兄妹で1人だけとか何十年もあらあわれなかったり。不規則なの」
オフィーリアは肖像画を眺めた後、3人の前に屈む。
「でもね、貴方たちの瞳が何色だろうと変わらないわ。私の愛する我が子に変わりはないんだから!」
3人は嬉しかった。
母が心から愛してくれて。
読んでいただき、誠にありがとうございます。
3章完結となりました!明日の定刻に4章更新します。
~予告~
盗賊(?)との闘いや王立学園での生活が少し登場します。
本作を読み「本作が面白い!」「続きが気になる!」と感じていただけましたらぜひ【ブックマーク】や【評価★★★★★】で応援してくださると幸いです。
今後も連載を続けていきますので、応援よろしくお願いします!




