↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/57

35話「宝物殿・戦い方」

『これとこれ』


それは、とても美しく双子のセンスの塊のような服だった。


アルのは王族男子の正装で、全身真っ白なスーツにアメジストのブローチ。


エマのはアルとペアルックで白色のドレスだった。


裾にレースが幾重にも重ねられ、まだ幼く成長の妨げになるためコルセットができないエマのために、大ぶりのピンクの可愛いリボンでウエストを調整できるようになっていた。


子供なのであまり宝石を多くは付けないが、髪飾りにアルのブローチと全く同じアメジストを身につけることにした。


なお、靴はおそろいにした。

靴は色違いでアルが紺、エマが真っ白。


子供は大人の女性みたいに靴に宝石なんかは付けない。


宝石を付けだすのは大体15歳位からなのだ。

それに社交界もしない子供なので、靴のデザインは一緒なので男女兼用の今だからこそできるおそろいなのだ。


ちなみに靴のデザインが変わり始めるのは社交界に出始める少し前の7、8歳くらいから。

女子はヒールを履き始めるのでそのくらいだ。


ちなみに半ズボンを正装とみなす国も多いが、テーリアでは夏は子供は半ズボンが基本なのだが、今は春先で寒いテーリアにとって半ズボンは寒いので今回は長ズボンをチョイスした。


「アル!エマ!これを着てみてくれないかしら?シアール!」


あれよあれよという間に、オフィーリアの命で動くシアールたちの手によって着替えた。


「まあ!なんて可愛いの!」


「お母様!僕はもうだめです!尊すぎる⋯」


シリルはその場で倒れてしまった。

相変わらずである。


「シリル〜?まだ見なくてもいいのかしら?」


オフィーリアがそう言うと、ハッと目が覚めた。

そして飛び起きる。


さっき倒れたのは何だったのだろうか?


「お母様!画家を呼びましょう!」


シリルはこの可愛さを永久保存したいとオフィーリアに願った。


「いいわね!」


オフィーリアも乗り気のようだ。


『お待ち下さい!』


双子が止めた。


「なに?」


二人は双子の話に耳を傾けた。


「ここに大きなキャンバスを1つ持ってきてはいただけませんか?」


なにか企んでいるようだ。


オフィーリアは理由もわからず、とにかくキャンバスを用意した。


目の前にキャンバスが置かれると、双子はアイコンタクトを取った。


「水よ」


エマがそう言うと同時に水が沢山目の前に現れ、形を変えて大きな1枚の鏡を作った。


すると、アルとエマは台の中心に立った。

そして、アルはエマをその場で動かずにエスコートした。


その時点で周りは何人か可愛さにやられて倒れていたが、当の本人たちは気にもとめない。


「転写」


アルが呟くと同時に、キャンバスにまるでそこに双子が存在しているかのように映し出された。


「保存・保護・絶対防御」


この3つの魔法はアルが研究し、改良したものだ。


特に絶対防御とは、ありとあらゆる物理的な攻撃から守り抜く力を持っている。


この3つの魔法の最大の特徴は、術者の生死を問わず発動し続けるというものだ。


保護は物理的な攻撃ではないカビ等の自然から完全に守り抜く魔法である。


「わあ!」


「まあ!すごいわ!」


シリルとオフィーリアを含む周囲は感激していた。


「って。箝口令を出します。この話をここにいる者以外でしてはなりませんよ」


さすが女王。

抜かりない!


「このキャンバスは、王宮の宝物殿に飾りましょうか。あの歴代王族の肖像画が並んでいるところの一角に」


そんな部屋があるようだ。

双子は念話で会話す。


【アル】


【僕も同じ事思ったよ。ハンス様の肖像画があるかも!】


【お母様に聞いてみましょうよ!】


エマは母なら知っていると思った。


「お母様、お母様!ハンスってご先祖様知らない?この間まで学園の最年少記録持ってた人!」


エマは聞いてみた。


「ハンス様?知ってるわよ?みんな下がって」


オフィーリアは知っていた。

そして、シアールたちを下がらせる。


「その人のことを詳しく言うとね、ロウェル⋯宰相家の初代よ。200年くらい前の王族で、テーリア王家の特別な魔法の数少ない使い手で天才だった。根っからの研究オタクでね、生涯をその研究に捧げているわ。ただね、補佐官としてはかなり優秀で宰相をしていた。でも何事も研究優先で宰相の仕事は二の次だったらしいわ」


双子は、目を見開く。


「ハンス様はね、魔力の制御や扱いに長けていたのよ。キースの魔法を見たことがあると思うけど、凄いでしょう?あれはねハンス様の血を引く人で直系に多いわ。他にもね、ハンス様は生涯に渡って特別な魔法の研究をした。でもね、研究資料は本人が魔法学園もしくは禁書庫にしまったっていわれていてね、禁書庫だと思うのだけれど、蔵書が膨大すぎて見つからなかったの」


3兄弟は、顔を見合わせる。

シリルはなんだかよくわかっていないようだが。


「あとはね、シリルとアルにエマ、一度肖像画を見てみなさい。貴方たちにそっくりよ。シリル、アル。貴方たちを見ているとね、生き写しのようなの。ん〜?何代前の方の御子息だったかは忘れてしまったのよね。そうねー⋯私が知っているのはこれだけね」


オフィーリアはたくさんのことを教えてくれた。


双子は知らない情報がたくさんあった。

特別な魔法は血統魔法のことでほぼ間違えないだろう。

まさかキースが直系の子孫だったのは驚きだ。


そしておそらく、禁書庫の本とは双子が読んだ本なのだろう。


でもオフィーリアは学園にもあると言うようなことをほのめかしていた。


これは知りたい。


「そうね!4人でこのキャンバスを置きに行くついでに、見ましょうか。そこはね王族の直系しか入れないの。不思議でね、王位継承権を破棄した時点で入れなくなってしまう魔法がかけられているのよ」


どうやら一緒に見に行くらしい。でも双子にとってもシリルにとっても願ってもないことだった。


「はい!」「うん!」「やったあ!」


3人は行く気まんまんだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


「お母様、まだですか?宝物殿の入口をくぐってからだいぶ経ちますが、まだ骨董品ですよ?」


シリルが言った。


実はこのとき宝物殿の入り口を入り、僅かに下り坂になっている道を延々と進んでいるのだ。


少しずつ円を描きながら地下深くへと降りていっているようだ。


ちなみに左右はずっと骨董品や手紙、魔石等がズラリだった。


宝物殿内は魔法禁止の結界が張られているので、転移も使えない。

つまるところ、歩くしかないのだ。


「骨董品ではないわよ?ここにある骨董品や魔石はすべて国宝ですし、この書状はセルリア皇国と国交を結んだときのですし」


どうやらここにあるものすべてが凄いものらしい。


「お母様!宝石がたくさんあるよ!」


骨董品エリアを抜けると、次は宝石だった。

どれもこれも美しく珍しかった。


中でもひときわ目立つのが複数の王冠や王錫だ。

普通1つしかないのではないだろうか?


「どうして王冠や王錫がたくさんあるの?」


シリルはオフィーリアに聞いた。


「昔ね、この大陸は戦乱の世だったの。テーリアは勝ち進んだけど、その国々に敬意を払ってその国で大切なものにされていたものをその家の家宝とすることを許した。でもね、王冠や王錫は王の象徴。これだけは無理だったの。だから国宝にしたのよ。今の侯爵家はほとんど元王家よ。ちなみに侯爵家の領地はもはや一国だけど、その人達を地域ごとにまとめて管理しているのが3大公爵家よ」


なんとなくこの国の過去に触れられたような気がする。


そのエリアをすぎると、今度は武器だった。


「お母様!この剣眩しいですけれど、なんですか!」


アルは聞いた。


「ああ、それは聖剣ランビュラス。伝説の剣ね。意思を持っているらしいの」


さすが聖剣だ。

ひときわ存在感を放っていた。


「あの杖は?」


エマが聞く。


「あれは聖杖リビュアーよ。あれもまた意思を持っているらしいの」


先程の聖剣同様に輝きを放っていた。


武器のエリアを抜けると、次は大きな扉が待っていた。


「この扉はなんですか?」


シリルが聞いた。


「これはね、テーリア王国の王位継承権所持者や王でなければこの先は入れないのよ。ちなみにさっきまでのところは正式に願い出れば王冠や王錫に関係している者は入れるわね」


この先にあるらしい。

随分と地下深くまで降りてきた。

読んでいただき、誠にありがとうございます。


本作を読み「本作が面白い!」「続きが気になる!」と感じていただけましたらぜひ【ブックマーク】や【評価★★★★★】で応援してくださると幸いです。


今後も連載を続けていきますので、応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。