↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/55

29話「共有魔法」

「終わったわ!アイル先生、礼儀のテストお願いします」


「え?うそでしょ……えぇ、始めるわね!」


実は開始してからまだ1時間ほどしか経っていないのだ。

アイルが驚くのも当然のことである。


「お辞儀!」


エマはきれいなカーテシーをした。


「着席!」


普段よりもゆっくりと座った。


椅子が低めのものを用意してくれていて良かったと心から思った。

黄色の可愛い柄は余計だったが。


「起立!」


先程同様ゆっくりと立ってみせた。


「歩く!」


上に本を乗せているような感覚で歩いた。

一歩一歩、小さくまっすぐに。


「これ切ってみて!」


チーズとナイフ、そしてフォークが出された。


これまた嬉しかったのが、ナイフが小ぶりで王城で使っているものと似ていたことだった。

いつもは話しながら楽しく食べているが、今日は無言で優雅に優しく微笑みながら食べる。


「ごきげんよう。本日は良いお天気ですわね。返答は?」


「まぁ!本当に良いお天気ですわね!こんな日はピクニックがいいですわよ。わたくし、よく家族5人で行きますの!」


エマは、子供らしい笑顔全開で答えた。


「さすがね。合格よ。では待合室に向かいましょうか」


◇◇◇◇◇◇◇◇


「あら?アル、速いわね」


「そういうの、エマだって」


二人は2時間ぶりに再会した。


【じゃ、アル。魔力完全に同調したわよ】


【さすがエマ。わかってる!】


【共有魔法】


【エマ⋯なかなか難問だね、これは。想像以上だっ!】


【ねぇ思うんだけどさ、これ私のほうが難しくない?だってさ、アルは私の答案見て写すわけでしょ?私は魔法測定機でアルとぴったりにしないといけないんだよ?】


【まあまあ、そう言うなって】


「先生方。解答等を回収します。私の元へとお持ちください」


ジュリアは他先生から色々受け取る。


「では次は場所を交代して行いましょうか!」


◇◇◇◇◇◇◇◇


その後アルは順調に進んでいった。


(エマの答えを信じてっと。こんなもんか)


アルは共有魔法でエマの解答を記憶し、それを書き写していく。

流石に解いた後を残さないのはまずいので、しっかりとそこも書きながら。


(お!エマ、これ全問正解じゃね?さすがだ!)


◇◇◇◇◇◇◇◇


時を同じくしてエマはというと、

(はぁ、剣術はともかく魔法は同じ数値なんて無理よ⋯。アルみたいに逆算するの、私嫌いなんだからぁ!)


「先生。魔法終わらせたらすぐに剣術するわ」


エマはもう自暴自棄になっていた。


「どうぞっ、え?」


驚くのも無理はない。

エマもアル同様だったのだから。



ドンッ!



大きな音が会場全体に響く。


「は?384?アルフレド様と同じ?すごいですよ!私よりも強いかも。いや、ジュリア先生と同等かもしれないわ!」


アルの予想通り、ジュリアは相当な使い手らしい。


「次は剣術ね!」


エマは淡々としていた。


「はじめ!」


「では参ります!」




ヒュッ!



カンッ!




エマが動いた瞬間に木刀が宙を飛んでいた。


「終了ですか?」


エマはもう終わりかと、つまらなさそうに言っていた。


「あぁ」


サージェス卿は、手元を凝視しながら、静かに言う。


「では待合室に向かいますね!」


エマはスタスタと歩く。


「おいおい。テーリア王家はみんなああなのか?俺も修行がもっと必要だな。5歳児に瞬殺とは。まぐれじゃない。2回連続だからな⋯。合格っと」


サージェス卿は憔悴しきっていた。


「私もですよ。これでも結構強い方なんですよ?私。でも私の最高は342なんですよ。落ち込みますよ。ま、合格ですね。文句のつけようがありません」


そして、リエナもまた憔悴しきっていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇


アルはというと、ちょうど試験を終えようかとしていた。


「先生、終わりました。礼儀作法お願いします」


まだ開始45分ほどだ。


「え?嘘でしょ」


さすがのアイル先生もびっくりしている。


「では開始します」


アルはそれと同時にエマの動きをコピーした。


(5歳くらいだと作法は男女ともに同じだ。魔法は使用可だから使っても問題ない。それに僕は礼儀が一番嫌いなんだ。非合理的すぎる。なんで遠回しに説明しなくちゃならないんだ?意味がわからないよ。でもエマ、君はそういうの得意だろう?僕と違ってね)


「お辞儀!」


ここは流石にカーテシーをするわけにもいかないので、ボウ・アンド・スクレープをきめる。

これは、シリルのまねだ。


「着席!」


ここはエマのマネをしてっと。

うん。エマ、僕も黄色の可愛い柄は余計だと思うよ。


でも低いのはありがたい。

だって、高すぎるとよじ登らないといけないからね。

飛行魔法使用禁止だから。


こっちのほうが優雅に座れるよ。


「起立!」


ここもエマの魔法でっと。


「歩く!」


これは僕が一番嫌いなのだなぁ。

エマ、本当にありがとう。


「これ切ってみて!」


流石に僕は微笑みたくないね。

淡々と切りながら食べよっと。

おっと、背筋伸ばすの忘れてた。


「ごきげんよう。本日は良いお天気ですわね。返答は?」


「あぁ。本当に綺麗だね。こんな日は一緒にお茶でもしませんか?」


子供らしい笑顔全開で答えた。


ただ、エマの文章は真似したくない。


だからシリルが「天気がいいから私と一緒にお茶しない?」って言ってたのを思い出したからパクることにしよう。


「まあ!すごいですわ。でも最後の文章は普通のご令嬢に言ってはだめですよ?言うのならばエメライン様におっしゃってください!」


僕は先生の言っていることがわからない。


「待合室に向かいましょうか!」


◇◇◇◇◇◇◇◇


「エマ?速いね」


「アルこそ」


二人は顔を見合わせた。


「これにて試験終了です。廊下にキース様がいらっしゃいますので、向かわれてください。ちなみにヘレナ先生も一緒ですよ。結果は後日お知らせいたします」


結果はどうだったのだろうか?

楽しみで仕方がない双子であった。

読んでいただき、誠にありがとうございます。


本作を読み「本作が面白い!」「続きが気になる!」と感じていただけましたらぜひ【ブックマーク】や【評価★★★★★】で応援してくださると幸いです。


今後も連載を続けていきますので、応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。