24話「真実・誓い」
「すまないが、シェーリーン。君たちは下がってほしい」
シリルは、部屋で待機していたシェーリーンと3名の護衛を部屋の外に出した。
4人は一礼して部屋から立ち去った。
「シル兄様。ルカ兄様、キース兄様。驚かないでくださいね」
エマは言った。
キースとルーカスは、何が始まるのやらという不思議な顔をしている。
「『防音魔法』『想像魔法』『風壁魔法』『防御魔法二重』『完全閉鎖魔法』」
アルはトントン拍子に魔法を発動させた。
まず防音魔法を部屋全体に張り巡らせ、想像魔法で砂を作り、風壁魔法で砂を巻き上げて視界を遮り、防御魔法で砂から自分たちと部屋の調度品を守り、砂嵐は2枚の防御魔法に挟まれていた。
その上、完全閉鎖魔法で扉も窓も封じられ、今防御壁の中にいる人以外は中に入ることができない。
たとえ扉を破ったとしても、アルが放った防御壁と砂嵐に阻まれる。
さらに、この部屋で発した声は防御壁の外にいる人には絶対に聞こえない。
「あの、アル様とエマ様。そろそろ種明かしをしてほしいのですが……。ところでアル様、今私は夢を見てるのですか?今6つの魔法を同時に施行されているようにお見受けしますが……」
キースは呆気にとられていた。
ルーカスは現実逃避していた。
「あぁ。キース兄様。夢ではありませんよ?本当です。現実ですよ。まぁ、国家機密を話すんですからこれくらいしないと」
さらっとアルは言った。
だが、その笑顔は周りから見れば悪魔なのか天使なのか──
それとも天使の顔をした悪魔なのか?と思わせるほどの威圧感を放っていた。
「国家機密ですか?わかりました」
「僕もわかりました」
キースに続き、ルーカスも返答した。
「今から話すよ。これはいついかなる時でも王族並びに三公、そしてヘレナ以外に話してはならない。
これは絶対事項だ。これを2人が破ると、アルとエマの命がなくなってしまう。いいね?」
その時のシリルの口調は、まるで女王の時のオフィーリアそっくりだった。
シリルの顔が母似のせいもあるのだろうか。
「では続ける。これ以下の言葉は女王オフィーリアの言葉である。私、第一王子シリルが代読する」
◇◇◇◇◇◇◇◇
キース並びにルーカス。あなた達にこの王国の王族であるテーリア家が抱える国家機密に関してお話します。
このことを知っているのは、私を含めた王族、そして三公、さらにアルとエマの主治医をしているヘレナのみです。
このこと、上記載の人物以外に口外してはなりません。いいですね?
国家機密は貴方がたも感づいている頃でしょう。
アルフレッドとエメラインのことです。
アルにエマ。この先の話は聞いてもいいけれど、聞かないほうがいいかもしれないわ
◇◇◇◇◇◇◇◇
「おっと……どうする?」
シリルは一旦読むのをやめた。
でも双子の答えは聞くまでもなく決まっていた。
『大丈夫。続けてください』
双子の返事は同じだった。
「そう言うと思ったよ。では──」
◇◇◇◇◇◇◇◇
簡単に言うと、あの2人は力が強すぎて体や心が安定しないのです。
2人も知っていると思うけれど、あの2人のステータスは加護や属性が全て数値がカンストしているの。
2人ともね。
シリルも歴代王族の中でも強い方だったけれど、アルとエマはその中でも特に強いを通り越して異常だった。
そして生まれてすぐにヘレナから告げられたわ。
「力が強すぎて、成長とともに増大していくはずの魔力がはじめから存在しているから、器に対して大きすぎると体が耐えきれなくなってしまう」
ここまで言えばキースやルーカスならわかるでしょう。
アルとエマの末路はわかるわよね。
いつかは体が多すぎる才能に押しつぶされてしまうわ。これがアルとエマの病弱の正体よ。
才能と肉体が全く釣り合っていないの。
天秤にかけたら、才能が底まで沈んで肉体がどこかに飛んで行ってしまうかもしれないわ。
だから私たちは2人が王立学園に行くことに反対だった。
そこでキース、ルーカス、そしてシリル。あなた達にお願いがあるの。
アルとエマの様子が少しでも変ならば王城に連れ戻してほしいの。保健室に行ってもいいわ。保健室の先生はヘレナにしておいたから。何かあったらヘレナのところに行きなさい。
これは決して覆ることのできない王命です。いいですね。
2人を頼みましたよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
シリルは、心配して双子のほうを見る。
双子は、床をじっと見つめていた。
そして、ルーカスとキースのほうに視線をやる。
「相わかった。この秘密は墓場まで持っていくと誓う」
「俺も誓うよ」
キースとルーカスは片膝をついた。
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