11話「再現」
あの幸せな夜から3日後。
いよいよ待ちに待ったピクニックの日だ。
1番楽しみにしていたのはシリルだろうけど。
「アル、エマ!!!準備できた〜!」
アルとシリルは茶色の狩りに行くときの服装。
アルはないけど、シルは腰に剣を下げている。
そして、エマは動きやすい簡素なワンピース。
ちなみに、両親も同じようなカジュアルな格好。
『うん!できたよ!』
元気よく息ぴったりに返事をする。
「じゃあ、行こう〜!」
シリルは二人の手を元気よくひき、部屋を飛び出した。
「お母様、お父様!二人連れてきました!天使だ!見てよ!この姿を見てください!可愛すぎます!もうぼっわ、私はどうにかなってしまいそうです!」
相変わらずである。
「どうにかなってるでしょう」
呟いたのはエマだった。
呆れている。
「気持わかるけどだめ!」
そういったのはアル。
「ふふ。そうね。今日は3人ともかわいいわ。いつも可愛いのに、もっと可愛くなってしまって。誰かに誘拐されてしまうかも。どうしましょう。護衛の数を増やそうかしら」
「そうだな。可愛すぎる。だけど、護衛の数増やすのは不要だろう。リカ。だって、下手したら息子と娘は俺よりも強いかもしれないんだから。大丈夫だろう」
全くそのとおりである。
二人は親バカだ。
「お兄様もだけどお母様とお父様も大概でしょう」
「全くそのとおりだ」
密かに頷きあう双子であった。
「提案があるの。転送魔法で荷物を届けて、転移魔法で、いかない?地図で場所確認したから大丈夫だよ」
なんと、転移魔法で行こうというのだ。
「まぁそうなの。ではお願いしようかしら。ねぇリアム。あなた達は下がってちょうだい」
微笑むオフィーリアだ。そして、侍女と執事に素早く指示を出す。
「わかったよ。リカ。じゃあお願い」
みんなが頷く。
「アル。わかってるよね」
「あぁエマもちろんだ。先にいけ」
両親と兄は何を言っているかわからない様子だった。
「じゃあみんな行こうか。『転移魔法』」
一瞬にして着いた。
「さすがね。エマありがとう」
そう母は頭を撫でた。
「アルは?アルがいない!」
そう騒ぎ出したのはシリルだった。
まあ、至極当然の反応だ。
「大丈夫。すぐ来るよ。荷物と一緒にね」
そう笑いながら返事をした。
「どういうことなの?」
みんながきょとんとした。
しゅっっっっっん!
どっっっさ!
大きな音とともに荷物とアルフレッドがやってきた。
「おまたせ。荷物を転送魔法で持ってきたよ」
「そうだったの!ありがとう。アル。もちろんエマもね」
やっぱり母に褒められるのは嬉しい。
「お母様とお父様。私達したいことがあるんです。おとぎ話があるでしょう。不思議な少女が、海上で楽器を演奏するっていう、あの神秘的なのが」
そういったのはアルだった。
「それができるかもしれないのよ。私達。試しにやってみてもいい?フルート持ってきたもの」
双子は自信満々にいった。
「いいよ。できるの?」
心配そうに言う母。
『もちろん!』
元気いっぱいだ。
「行くよ。アル」
「うん」
「『浮遊魔法』『水操作』『想像魔法・音・二重』『結界・強』」
「アル。演奏しようか」
「そうだね」
その様子は美しかった。
彼と彼女の明るい金髪に神秘的な輝く紫眼がより一層その様子を引き立てていた。
一流と呼ばれるのは2つの魔法を操るか、2重の魔法を使うことができる。というのが一つの基準だ。
双子は4つの魔法を発動している。
その上、想像魔法なんて2重だ。
普通ならありえない。
「あぁ。凄い。思わず見とれてしまうね…」
そういったのはシリルだった。
その日は二人の演奏で幕を閉じた。




