表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
省エネ聖女のわたしが隣国の王太子に溺愛されるだなんて信じられません!  作者: 慧依琉:えいる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/10

第2話:この気持ちの正体




リラはトボトボと施設へと戻った。



ミレイアの事が心配で施設の中を探して回るが、先に戻っているはずのミレイアの姿は見当たらない。


〝ミレイア……………。どこいったんだろう……………。〟


彼女の姿を探すリラ。



小さい子たちが食堂で賑やかに過ごしていた。



〝……………。ミレイアはどこに…。〟




「ねえ、これお部屋に持っていこう!」


「うん、行こう!」




小さい子たちが何かを持って部屋に行くと言って楽しそうにバタバタしている。





〝もしかしたらミレイアも部屋にいるのかも…。〟


リラはミレイアを探しに部屋へと向かう。








ミレイアの部屋の前に来たリラは、

部屋をノックする手が〝ピタリ〟と止まる。



〝ミレイア…まだ、怒ってるかな…。〟


リラはまだミレイアが怒った理由がわからないでいた。



〝ミレイア、私に向かって(寂しくないの?)って言ってた…。と、言うことはミレイアは寂しいってことなのかな…。〟


ノックをする為に上げた手を〝キュッ〟と握りしめてリラは考えていた。


「……………。」


ミレイアの名前を呼ぼうとして声も思わず呑み込んでしまった。





〝こんな…、ミレイアの気持ちをわからないまま謝ったって意味がないわ…。〟


リラはそう思ったから声を掛けるのをやめた。




上げた手、握りしめた手だけが虚しく影を落とす…。



リラは俯いて、その手をとうとう下げてしまった。


「……………。」





ミレイアは部屋の中にいて息を潜めていた。


廊下から聞こえる気配。


きっとリラだ。


そう思った。



けれど扉は叩かれない。


やがて気配は遠ざかっていった。




〝───────っ!〟



ミレイアはシーツを強く握り締める。




ぽたり。


膝の上に雫が落ちた。




〝………なんで、なんでわからないのかな…。リラ…。〟




────────その日、ミレイアは部屋から出てこなかった。






その日の夕方から、リラはずっと考えていた。



ミレイアとの出会い、ツンケンしていたミレイアがいつ、自分に心を開いたのだろうか…。どうしてミレイアは自分にだけよく怒るのに変わらずに接しているのだろうか…。


リラには人の感情を読み取ることがどうやら苦手なようだ。



〝物心ついたときからここにいた私はずっとひとりぼっちだった。〟



この施設には入ってくる子も多いが出て行く子も多かった。


皆綺麗な金髪だからだ。




リラは自分の髪を摘んで指でクルクル回していた。



〝私の髪がこんなだから、誰も必要としてくれないのかな…。〟


リラはクルクルしていた指を止めた。




〝それでも…ミレイアは今までいくらでもチャンスはあったのに………。〟



リラは思い出していた。



「ねぇ、ミレイア。さっきのお話断ったの?」


「ええ!」


「どうして?」


「どうしてって…、もう、リラは分かんないかなぁ?」


「………?」


「ずーっとリラと一緒に居たいからよ。」


そう言ってとびっきりの笑顔を見せたミレイア。



リラは思い出した。



〝そっか…。そうだった。ミレイアはいつだってそう言ってくれていた。〟



リラの頬を一筋の涙が伝う。


リラはこの時初めてミレイアの気持ちを理解した。




その日の夜、リラは中々眠りにつけなかった。




それはミレイアも同じだった─────







翌日、陽は昇って本来であればミレイアもリラも掃除に洗濯にと、大忙しなのだが、この日は貴族が二人に面会に来る日なので仕事は免れていた。


その分、いつもよりも小綺麗にしておかないといけない。



だから貴族との面会時間までリラもミレイアも自分の部屋で待機となった。



〝このままミレイアとお別れになっちゃうのかな…。〟


リラは俯いたまま椅子に座っていた。



キュッツとエプロンの端っこを握り締め、リラは椅子から飛び降りて自分の部屋の扉を開けた。



〝いいですね?呼ばれるまで絶対に部屋から出ないように。廊下を走るだなんてとんでもありません。〟


施設長が昨日言っていた言葉を思い出す。だが、そんなことは今必要ではなかった。リラはパタパタと足音をたててひたすらミレイアの部屋へと走って行く。



ミレイアの部屋の前に着くと、ノックもせずにいきなり扉を開けた。






バ─────ン!




「ミレイアっつ!」


部屋の中にはミレイアが大人しく、背筋を伸ばして座っていた。






「─────ミレイア、綺麗…。」



リラは思わず口に出していた。




振り返ったミレイアは


「リラ?」


驚いた面持ちでリラを見た。








ご覧下さりありがとうございます。

次週金曜日18:50に更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ