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省エネ聖女のわたしが隣国の王太子に溺愛されるだなんて信じられません!  作者: 慧依琉:えいる


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第14話:再会!現実は甘くなかった




「さっきの鳥さん…。もしかして慰めてくれたのかな…。」



リラはふと、窓の外を眺めて呟いた。



そんなリラの頬をなでるようにそっと風が通り過ぎた。



「あ…。風さん。」



リラは顔を上げた。




そして目の前に広がる木々がそっと揺れた。



リラはその光景を見て心が解れていった。




〝ひとは難しい。でも、自然はあたたかい。〟




リラの涙は止まり、いつの間にか口角が上がっていた。




「よし、続きをしよう!」




リラは思った。例え聖女として失格だったとしても自分には掃除の才能がある。

万一のときはこれを活かして生活していけると。





とにかく今はみんなが帰ってくるまでに掃除を済ませることだった。



〝さっき泣いてしまった分、遅れてしまってるから急がなくっちゃ…。〟



リラはせっせと掃除を再開した。




みんなが聖女としての訓練を受けているというのに、自分が受けられないことを悔やんでも仕方がない。それにそもそも聖女としての素質があるのかすらわからないのだから、この対応も仕方ないのかな、とリラは思っていた。



「それでもいい。誰かの役に立てるってことがいいんだもの。」



リラはもう泣かないと決意した。


そして再び黙々と掃除をし、床も磨いていた。





〝なんだか騒がしいな……。〟




リラはざわつく声でふと気付いて顔を上げた。



そこには戻ってきていた聖女候補数人が立っていた。




「あなた…、本当に下働きをしていたの?」




〝──────────!〟



そこに立っていたのはララだった。

そしてその隣にはミレイアが立っていた。彼女はリラのその姿を見て、思わず目を逸らしていた。



〝ミレイア…。そうよね、今の私とじゃ、釣り合わないし…仕方ないわよね…。〟



リラは俯いてしまった。





するとミレイアはララに向かって言った。


「ララさん。今日の工程は全て終えたはずよね?もうお部屋にお戻りになって。」



「え…。ですが明日の…。」


「それは明日お話しましょ。さあ。私は着替えて楽になりたいの。」


「でしたら、私がお手伝いをします。」


「いいえ、いいわ。あの子にお願いするから。」



そう言ってミレイアが指さしたのはリラだった。




「─────あの子って、あなたのお世話は私がすることになっています。」


ララは一歩も引かない。きっと維意地があるのだろう。




ミレイアは大きく息を吐いてララに言った。



「あなたも今日、疲れているでしょ?これからずっと続くのよ?今日くらい、ゆっくりなさい。」


その言葉を聞いてララはようやく納得して部屋を出て行った。




─────バタン。




ミレイアの部屋の扉は閉まった。




「……………。」



「……………。」



リラもミレイアも黙ってしまって暫く沈黙が続く。




そしてリラは決心して顔を上げてミレイアに言う。


「お着換えのお手伝いですね。」


そう言っていそいそとミレイアのそばに行く。




──────────!!




ミレイアは近付いてきたリラを思いっきり抱きしめた。



「ミッ、ミレイア?」



リラは戸惑った。




「リラのばか。せっかく再会したというのに…。」



ミレイアの温もりがリラを包み込む。

さっき心が折れそうになったとき、風や小鳥たちが慰めてくれた。



だけど、こんな風に自分を抱きしめてくれるのは唯一

ミレイアだけなのだ。



「ミレイア─────。」



リラは半べそをかきながらミレイアにしがみついた。




「ふふっ、もう、リラってば…。何そんなに泣いてるの?よっぽど酷い目にあわされたの?



リラはニコッツと笑顔を作って首を静かに横に振った。




〝なんでもない。あんなことは日常茶飯事だ。〟



だからリラは口をつぐんだ。心配させたくない。その気持ちと共に…。




「それにしても、ミレイアは流石ね。すごく光輝いていたわ!」



今度はリラは興奮して話をし出す。



ミレイアは元気になったリラに胸をなでおろした。




「でも、リラだって光ったでしょ?」


「……………それが、私、そのときを見ていないの。絶対無理だって思っていたから…。」




ミレイアがふぅーっとため息をついた。




「あんた、変わらないわね。ほんとにもうっ!」


「だって…。」



「ちゃんと物事最後までしっかりと見る!これは基本中の基本だから!」


「うぇ~~。」


「うぇーじゃないわよ。本当に。」



そう言ってからミレイアはため息をまた吐き、



「あなたのもちゃんと光ったわよ。ただ、あまりにも遅くて弱い光だった。」


「そうなの?光ったの?え、色は???」


「そんなに慌てないの!色は判別するまでその光は持たなかったのよ。」


「ええっ、わからなかったの…。」



リラは肩を落とした。自分の聖力の色を知りたかったからだ。




「弱すぎて色が出るまで至らなかったみたいよ?あんたちょっと集中力を養った方がいいわね。」


「集中力…。難しいんだものぉ…。」


「は?何言ってんの?やらなきゃ、ここを追い出されちゃうのよ?必死にやりなさい!」



「うぇぇ~~。」



ミレイアはリラをキッツと睨んだ。



「やるの。」



「はぁーい。」



リラがとっても嫌そうにしていたが、これは大問題だからミレイアは決して引かなかった。



挿絵(By みてみん)



ご覧下さりありがとうございます。

次週火曜日18:50更新します。

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