第10話:暴走と大爆発
深い、泥の底のような暗闇の中から、意識がゆっくりと浮上してくる。
サトーが鉛のように重い瞼を薄く開けると、細い十字のスリット越しに、上等な白い布で作られた天幕の天井が見えた。
どうやら、あの巨大な魔力供給炉の大爆発から、無事に自軍の最前線基地へと運び込まれたらしい。
三十キロの錆びついた全身甲冑は着たままだったが、不思議と身体の痛みは綺麗に引いている。意識を失っている間に、優秀な軍医か高位の治癒術師が、魔法で打撲と傷を完璧に塞いでくれたのだろう。
(……助かった。また生き延びてしまった……)
サトーは兜の中で、心からの安堵の深呼吸をしようとした。
しかし、深く息を吸い込んだ瞬間、兜の内部に充満している『古いブルーチーズと雨に濡れた犬と湿ったカビを混ぜて発酵させたような絶望的な悪臭』がダイレクトに鼻腔を直撃し、サトーは危うく自らの体臭と鎧のサビの臭いで、二度目の気絶をするところだった。
魔力供給炉の爆発による異常な熱気とススが加わったことで、甲冑内部の不快指数と悪臭は、以前の三倍増しというバイオハザード状態に達していた。
「おお……! スミス将軍ッ! ついに目を覚まされたのですね!」
天幕の入り口で、まるで石像のように直立不動の姿勢をとって警護に当たっていたレオンが、サトーが身じろぎして甲冑を鳴らした微かな音を素早く聞きつけ、弾かれたようにベッドの傍らへと駆け寄ってきた。
「将軍! ご気分はいかがですか! 喉はお渇きではありませんか! 水をお持ちいたしましょうか! それとも、すぐにギュンター司令官をお呼びしましょうか!」
レオンの目は、以前にも増して熱烈な、もはや全知全能の神を崇める狂信者のそれになっていた。
その後ろからは、人間の背丈ほどもある巨大な戦斧を背負ったスキンヘッドの巨漢、バルタも嬉しそうに顔を覗かせている。彼の顔の巨大な傷跡すら、今は忠犬のように見えた。
「大将! やっと目が覚めたか! アンタが丸三日もピクリともせずにぶっ倒れたままだから、俺たち遊撃部隊の野郎どもは、心配で夜も眠れずにずっとこの天幕の周りをうろついてたんだぜ!」
(三日……? 嘘だろ、俺、あの爆発から三日も気絶してたのか。そりゃあ鎧の中の臭いも限界まで熟成されるわけだ……)
サトーが重い首をカシャンと縦に振り、「問題ない」という無言の意思表示をすると、二人の狂信者は心底安心したように大きく胸を撫で下ろした。
「本当によかった……! スミス将軍、我々は貴方様にどれだけ感謝の言葉を重ねても足りません。将軍があの巨大な魔力供給炉を単騎で破壊し、敵の兵站基地を完全に消滅させてくださったおかげで、魔王軍の西部戦線における補給線は完全に断たれました!」
レオンが、興奮で顔を紅潮させながら、弾むような声で戦果の報告を始める。
「物資をすべて失った魔王軍の本隊は、もはやこれ以上の継戦は不可能と判断し、なんと昨日、西部戦線から完全撤退を開始したのです! 我々アーゼンベルフ王国の、圧倒的かつ歴史的な完全勝利です! そしてその最大の功労者は、他でもない我らがスミス将軍、貴方様なのです!」
(えっ?)
サトーの心臓が、ドクンと嫌な音を立てて大きく跳ねた。
完全撤退? 歴史的な大勝利?
自分がただ極限のパニックに陥り、魔石を積んだ荷車から手が離せなくなって、そのまま爆発事故を引き起こしただけなのに。
その結果、何万人もの兵士が血を流していた戦争そのものが、一つ完全に終わってしまったというのか。
自分の悪運と、事態の転がり方のスケールが大きすぎて、サトーの矮小なキャパシティは完全に崩壊しかけていた。
「当然、この歴史的な大戦果は、早馬によって王都の司令本部へと即座に伝えられました! スミス将軍、喜んでください!」
レオンが、一枚の豪奢な金箔で縁取られ、王家の紋章である赤い蝋の封印が押された羊皮紙の書状を、恭しく両手で掲げた。
「国王陛下、ならびにセレスティア王女殿下より、直接の『王都への凱旋命令』が下りました! スミス将軍を王宮の最も神聖なる謁見の間に招き、国を救った最大の英雄として、王国最高の栄誉である勲章と、新たな地位を授与されるとのことです!」
「…………」
サトーの全身の血液が、一瞬にしてシベリアの永久凍土のように完全に凍りついた。
呼吸が止まり、頭からサーッと血の気が引き、目の前が真っ暗になる。
(セレスティア王女殿下……)
その名前を聞いた瞬間、サトーの脳裏に、あの世にも恐ろしい光景が、昨日のことのように鮮明にフラッシュバックした。
異世界召喚の儀式で『体力3・魔力0』という絶望的なステータス画面を見た瞬間、慈愛に満ちた女神のような笑顔から一転し、額に何本もの太い青筋を立てて口を耳まで裂いた、あの恐るべき『般若』の形相。
「こんな無能なドブネズミ、今すぐ路地裏のゴミ捨て場に放り投げてきなさい!」とヒステリックに絶叫し、サトーを文字通り不法投棄した、超ブラックで冷酷無比な張本人。
(王都に行く!? あの般若王女に直接会いに行く!? 冗談じゃない、冗談じゃないぞ! もし俺があの時の『不法投棄物』の佐藤一郎だってバレたら、今度こそ間違いなく即座に処刑される! しかも国家と王族を騙した大罪人として、一番残酷で苦しい方法で八つ裂きにされるんだ!)
サトーは兜の中で、ガチガチと歯の根を鳴らしながら、必死に断るための理由を脳内で検索した。
怪我の治療が長引いていることにするか。いや、軍医の魔法で打撲は綺麗に治っている。
後方の警戒任務が残っているからと誤魔化すか。いや、先ほどレオン自身が「敵は完全撤退した」と誇らしげに語っていたばかりだ。
「将軍? いかがなされました? またしても、抑えきれぬ武者震いですか?」
ブルブルと激しく震え、カシャンカシャンと情けない音を立てるポンコツ甲冑を見て、レオンが眩しいものを見るような尊敬の眼差しを向けてくる。
「素晴らしい……! 凡人であれば、王家からの勲章と聞けば手放しで舞い上がるところ。しかし将軍は、王都の煌びやかな式典よりも、魔王軍の残党がどこかに潜んでいないか警戒を解かず、ただひたすらに戦場のみを求めておられるのですね! その孤高の精神、我が軍のすべての兵士が学ぶべき鑑です!」
(違う! 全然違う! 行きたくないだけ! お願いだから高熱が出たとか、謎の風土病にかかったとか、仮病ってことにしてくれぇぇぇ!)
サトーの悲痛な心の叫びは、またしても狂信者の分厚いフィルターに完全に阻まれ、美しい英雄譚の1ページとして自動翻訳されてしまった。
「安心してください、将軍! 王都までの長い道のりの護衛は、我々『独立遊撃部隊』の百名が、文字通り命に代えても完璧に務め上げます! さあ、我がアーゼンベルフ王国が誇る、大英雄の凱旋パレードの始まりです!」
バルタが豪快に笑いながら、サトーの焦げた背中をバンバンと力強く叩く。
サトーは、もはや抵抗する気力すら完全に失い、底なしの絶望の深淵へと引きずり込まれるような感覚に陥りながら、ただ魂の抜けた鉄の人形のように、王都へと向かう荷馬車へと乗せられるのであった。
◆ ◆ ◆
それからさらに数日後。
アーゼンベルフ王国の王都は、前代未聞の熱狂と、爆発的な歓喜の渦に包まれていた。
「見ろ! あれが噂のスミス将軍の部隊だ!」
「我らが王国を救った英雄様だ! スミス将軍バンザイ! アーゼンベルフ王国バンザイ!」
王都の巨大なメインストリートは、凱旋パレードを一目見ようと国中から押し寄せた、何十万人もの市民で埋め尽くされていた。
沿道の建物の窓からは色とりどりの大量の紙吹雪が舞い散り、鼓膜が破れそうなほどの歓声が地鳴りのように響き渡る中。
サトーを乗せた荷馬車は、王城へと続く真っ白な大理石の道をゆっくりと進んでいた。
しかし、そのパレードの光景は、市民が想像していた「白馬に乗った輝かしい聖騎士」や「黄金の鎧を纏った美男子」といったおとぎ話の英雄像とは、あまりにもかけ離れた、異様極まりないものであった。
パレードの先頭を歩くのは、顔に巨大な傷を持つ狂戦士バルタをはじめとする、百名の『ならず者』たちである。
彼らは一応、王都への凱旋ということで王国軍の正規の軍服に着替えてはいたものの、その眼光の鋭さと、内側から滲み出る隠しきれない殺気、そして野盗のような凶悪な人相は健在だった。
沿道の市民たちは、彼らのあまりにも物騒な風貌に、歓声を上げながらも無意識に一歩後ずさりし、怯えたような視線を向けている。
そして、その凶悪なならず者たちの中央。
粗末でサスペンションの欠片もない荷馬車の荷台の上に、微動だにせず座り込んでいる、三十キロの赤錆びた全身甲冑の男。
彼こそが、魔将ザルバを単騎で討ち取り、敵の巨大兵站基地を壊滅させたという、生ける伝説。
スミス将軍である。
(怖い怖い怖い怖い! なんでこんなに人がいるの!? 注目しないで! 全員俺から目を逸らしてくれェェェ!)
サトーは兜の中で、冷や汗を滝のように流しながら、完全に極度の対人恐怖症とパニックを引き起こし、石像のようにカチコチに固まっていた。
もしここで兜が外れて、見すぼらしい日本人の顔が晒されたらどうなるか。想像するだけで心臓が止まりそうだった。
しかし、市民の目には、その錆だらけで悪臭すら漂ってきそうなボロボロの甲冑が、『幾多の絶望的な死線を潜り抜け、自らを厳しく律する本物の戦士の証』として映っている。
決して素顔を見せず、民衆の熱狂的な歓声にも驕ることなく、ただ無言で沈黙を貫くその姿は、人々の求める「孤高の英雄願望」を完璧に満たしていた。
「素晴らしい……なんてストイックで気高い将軍なのだ」
「ああ、あの鎧に刻まれた無数の傷と錆は、我々市民の平和のために流してくれた、尊い血と涙の跡なんだわ!」
(違う! ただのサビ! 誰かがゴミ捨て場に捨ててたのを俺が拾っただけ! 頼むから勝手に美化しないで!)
サトーの精神的摩耗は、王城の巨大な正門に到着する頃には、すでに致死量に達しようとしていた。
「これより、スミス将軍の王城への入場を許可する! レオン副官、将軍を謁見の間へご案内しろ!」
近衛騎士の重々しい声とともに、城の巨大な扉が開かれる。
ここから先は、神聖な王宮内部であるため、ならず者部隊の面々は入場を許されない。
サトーはレオンに手を取られ、カシャン、ガシャンと不器用な足取りで荷馬車から降りた。
床はチリ一つなく磨き上げられた大理石。そこに、泥とススと悪臭にまみれたサトーの鉄靴が、汚らしい足跡をペタペタと残していく。
(うわぁ……絶対怒られる。こんな汚い格好で城の絨毯を歩いたら、清掃係の人に怒鳴られる……)
前職で、雨の日に取引先の応接室の高級絨毯を泥で汚してしまい、クレーマー社長からこってりと一時間以上絞られたトラウマが蘇り、サトーの心拍数はさらに跳ね上がった。
長い長い回廊を抜け、ついに王宮の最深部、『謁見の間』へと到達する。
重厚な両開きの扉が、ギィィィ……と重々しい音を立てて開かれた。
目の前に広がったのは、かつてサトーがコンビニ帰りに召喚され、そして絶望の底へと突き落とされた、あのトラウマの空間そのものだった。
天井には無数の蝋燭が煌々と灯る豪奢なシャンデリア。床には深紅の絨毯が敷き詰められ、左右には王国軍の最高幹部や、きらびやかな衣装を身に纏った高位の貴族たちがズラリと立ち並んでいる。
そして、正面の一段高い場所に据えられた、荘厳な玉座。
そこに座っていたのは、黄金の縦ロールヘアを煌びやかに結い上げ、最高級のレースがあしらわれた純白のドレスに身を包んだ、息を呑むほど美しい少女。
アーゼンベルフ王国第一王女、セレスティア。
あの『般若』の形相をひた隠し、今は慈愛に満ちた完璧な『天使の微笑み』を顔面に貼り付けた、サトーにとってのこの世のすべての恐怖の象徴であった。
「よくぞ参られました。我らがアーゼンベルフ王国の救世主、スミス将軍」
鈴を転がすような、甘く気品のある声が謁見の間に響き渡る。
サトーは、三十キロの甲冑の重さに任せて、その場にガシャンと崩れ落ちるように両膝を突いた。
(お願いだから俺だと気づかないでくれ。声も出さない。一歩も動かない。早く、早くこの時間が終わってくれ……!)
セレスティア王女は、優雅な足取りで玉座から立ち上がり、床に額を擦りつけるように平伏しているサトーの目の前まで歩み寄ってきた。
(な、なんだこの臭いは……!?)
セレスティアは、完璧な笑顔の裏側で、強烈な吐き気と激しい頭痛に襲われていた。
目の前で跪くこの錆びた甲冑の男から、何日も洗っていない生ゴミと、発酵したカビと、血と泥が混ざり合った、王城にはふさわしくない凄まじい悪臭が漂ってきたからだ。
しかし、この男は魔将を討ち取り、国を救った大英雄。王女として、ここで鼻をつまむような無礼な真似は絶対に許されない。貴族たちの目もある。
セレスティアは、引き攣りそうになる頬の筋肉を必死に気合でコントロールし、この世の誰よりも美しい笑顔を維持した。
「貴方様の数々の比類なき武勲、このセレスティア、王都にてしかと聞き及んでおります。魔将ザルバの討伐、そして敵の巨大兵站基地の完全破壊。我がアーゼンベルフ王国の長い歴史上、これほど偉大で圧倒的な功績を残した騎士はおりません」
セレスティアは、傍らに控えていた従者が差し出した純金の盆から、王国最高の栄誉である『白金十字勲章』を恭しく手に取った。
「さあ、スミス将軍。貴方様にこの勲章を直接授与いたします。どうか、その重々しい兜をお脱ぎください。国を救った真の英雄の素顔を、この私に、そしてここにいる皆に、ぜひ見せてはいただけませんか?」
ピタリ、と。
サトーの心臓が、文字通り完全に停止した。
時が、凍りついた。
(脱げって言われた! 兜を脱げって言われたァァァ! 終わった! バレる! 完全にバレる! 俺があんたが「ゴミ」って呼んでスラムに捨てた、あの佐藤一郎だって、完全にバレるゥゥゥ!)
サトーは極限のパニックに陥り、兜の中で白目を剥いて完全に硬直した。
動けない。返事もできない。声を出せば、少しでも隙を見せれば、その瞬間に死が確定する。
ただカシャン、カシャンと、全身の震えによって甲冑が小さな金属音を立てるだけだ。
「……将軍? いかがなさいましたか?」
いつまで経っても兜に手をかけようとしないサトーを見て、セレスティアが、いぶかしげに小首を傾げる。
謁見の間に、ピリッとした重苦しい緊張感が走った。王族からの直接の頼みを無視するなど、重大な不敬罪に問われかねない反逆行為である。
周囲の貴族たちが、ヒソヒソと怪訝な顔で囁き合い始めた。
サトーの命の灯火が、今まさに完全に吹き消されようとした、その絶体絶命の瞬間だった。
「王女殿下! 恐れながら、副官のレオンが申し上げます!」
サトーの斜め後ろに控えていたレオンが、弾かれたように前に進み出て、大理石の床に深く平伏した。
その声は、謁見の間の空気を切り裂くように力強かった。
「スミス将軍は、兜をお脱ぎになることはできません! 将軍はかつて、己の愛する者を魔族に奪われたという、あまりにも悲しき過去をお持ちです! その際、『この世から魔王軍という悪を完全に駆逐するその日まで、決して素顔を晒さず、安息の眠りにもつかない』という、過酷な神への誓い(ゲッシュ)を立てておられるのです!」
レオンの熱弁が、謁見の間に響き渡る。
「将軍は、たとえ王女殿下の御前であろうとも、魔王軍が滅びるまでは、その魂の戒めを破ることは絶対にいたしません! どうか、その気高くも悲壮な覚悟を、お許しいただきたく存じます!」
謁見の間に、水を打ったような静寂が落ちた。
貴族たちや軍の幹部たちが、レオンの語った『完全に作られた悲しき過去』に心を打たれ、目頭を押さえて静かに涙を流し始めている。
(レオーーーンッ! お前は神か! いや、勘違いの天才か! ナイスフォローすぎる! 完璧だ! お前のその妄想力に、今日ほど感謝した日はないぞ!)
サトーは兜の中で、レオンに向かって滝のような感謝の涙を流していた。
命の恩人である。これからはレオンの靴を舐めてもいいとすら思えた。
セレスティア王女もまた、一瞬だけ面食らったような顔を見せたが、すぐに「まぁ、なんて可哀想に」と同情に満ちた悲劇のヒロインのような表情を作り上げた。
「……なるほど。そのような深い事情がありましたのね。この私に免じて、などという軽薄な言葉は控えましょう。貴方様のその崇高な誓い、このセレスティア、確かに受け止めました」
セレスティアは、内心で激しくホッとしていた。
(よかった、こんな悪臭の塊みたいな兜を無理やり脱がされて、中から泥だらけで汗臭い汚いオッサンが出てきたら、臭いで完全に気絶するところだったわ。顔を見なくて済むなら好都合ね。とっとと勲章を渡して終わらせましょう)
そんな般若王女の腹黒い本音など知る由もなく。
「では、スミス将軍。特例として、甲冑姿のままでの授与を許可します。……貴方様には、この白金十字勲章とともに、我がアーゼンベルフ王国軍『特務大将』の地位を授与いたします。これからも、王国の最強の剣として、存分にその力を振るってくださいませ」
(大将!? 将軍からさらに昇進した!? 嘘だろ、これ以上偉くなったら絶対にもう前線から逃げられないじゃないかァァァ!)
サトーの絶望の悲鳴(無音)とともに、重々しい白金十字勲章が、ポンコツ甲冑の胸元にガシャンと乱暴に取り付けられた。
こうして、般若王女への顔バレという最大の危機を、レオンの神がかった勘違いによって間一髪で回避したサトー。
しかし、その代償として『王国の特務大将』という、軍の最高戦力であり、逃げ場の全くない責任者の地位を押し付けられてしまった。
さらに数日後。
魔将ザルバを討ち、巨大兵站基地を壊滅させた謎の鉄仮面『特務大将スミス』の首には、激怒した魔王軍の最高司令部から、天文学的な金額の『超特大の懸賞金』がかけられることになる。
味方からは狂信的に崇拝され、国家の最重要戦力として常に最前線に立たされ。
敵からは国家の最大の脅威として、全軍を挙げて命を狙われる。
―――つづく。




