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6月29日(水) エメラーダ

 髪型がひどいのに、こんな状態でSkype通話しなきゃならなかったのは最悪だ。帽子でも被ってりゃ良かった。

 お前があんまり俺に喚くから、エクソシストも不審がってたんじゃないか。俺はあのMサイズの死体をベッドから下ろす時、落っことしたりぶつけたりなんかしなかった。もし死体に痣が出来てたなら、それはXLの仕業か、Mサイズが自分でどこかにぶつけたんだろう。

 お前もあいつらも細かい。そんな些事になんか拘らなくていい。どれだけ調べたって、死んだ奴は生き返らないのに。それにMサイズの喉には致命傷として噛み跡が残ってたんだから、犯人がトランス・アニマルなのは疑いようもない。

 

 カリカリついでにお前がずっとブチギレていたって聞いたネズミ水槽の件(話してくれたコザックは芝居っけなく唇を青くしてた)誰も逃してない。14匹っていう数字が正しいなら、俺が夕方に3匹、小腹が空いたから食った。さっきまた5匹増えたよ。多いなとは思ってたけど、こんなの、ネズミも同居してるようなものだ。このホテルで俺がしょっちゅう髭や耳や尻尾を出すのは、こいつらの匂いを無意識に鼻が嗅ぎ当てているからに違いない。


 お前のお袋さんも、それにソルトさんも、元気でやってるのか。良かった。前立腺がん? の手術、上手く行ったんだ。

 トパーズはフェイスブック(あいつが持ってるSNSのアカウントはあれだけだ)でちゃんと見てるよ、あいつは滅多に投稿しないけど。甥っ子の写真は見た。まるまると太った健康そうな赤ん坊だった。


 アルクディアが自分のロッカーの下に物を噛ませて傾斜を作って、水をこっち側へ流れるようにしてきてた。幸い、俺のロッカーはおやつの乾燥トカゲチップスが湿気てふにゃふにゃになった位で済んだけど、それでも許せないものは許せない。

11階の廊下を掃除してた時に、仕返しであいつにバケツの水をぶっかけてやった。あいつにもやり返されたけど、2杯分浴びせた俺の勝ちだ。俺はシャツとジレが駄目になった。比べてあっちは全身、パンツまでびしょ濡れで、雨に降られた臭い犬みたいになってたもんな。

 あいつ、4時間後に仕返しの機会を狙ってるに違いない。中休みにアパートへ戻って、替えのシャツとレインコートを取ってくる。


 サイレント・サードの爺さんも間違いなく、エルフの影響を受けてるよ。気が昂ってたんだろう。さっきも何か訳の分からないことを叫びながら徘徊してた。開いた着物ローブの前から萎びたディックがぶらぶらしてるのもお構いなしでさ。俺達が宥めても全然部屋へ戻ってくれなくて閉口したよ。

 そうしたら、面白いことが起きた。それまで廊下の隅で蹲ってぶつぶつ言ってたミス・ウィング・ハートが不意に立ち上がって、爺さんの肩に手を置いたんだ。

 彼女が爺さんに何と囁きかけたかは分からない。彼女の呂律だって大概怪しいからね。でも爺さん、しばらく黙り込んだ後、頷いて、大人しく部屋へ戻って行った。


 マルキは賢いけど、経験不足だから仕方ない。そりゃ、辞めちゃったらがっかりだ。でも、それはその時さ。どうせすぐに求人の募集が掛かるし、また新人が見つかるよ。

 

 3本挿し。ミスター・パルファムも混じったんじゃないか。(ミス・アンシャンテの尻尾+ミスター・パルファムのディックと尻尾)本当に好きものだな、魔女の一味って。


 好きもの、ってサキュバスに言うのも馬鹿らしい話だけど、ミス・アンシャンテがお前と3Pしないかって。

 これまで俺、女の子に下手くそって面と向かって言われたことはない。でも、お前を引き込まなきゃやってられなくなるほど、彼女を退屈させたんだろうか。これまでヤった時は、楽しそうにしてたように思うけど。

 まあ、ミス・アンシャンテは百戦錬磨だからな。やり過ぎな位でちょうどいいのか。


$2,337.05

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