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6月28日(火) アコーダンス

 アズールはお前が礼を伝えてきたことに驚いてたぞ。ここのところトパーズにめっきり連絡を取ってないらしいな。たまには近況を伝えてやれ。彼は3匹目の子供が生まれたと聞いた。


 ロッカールームの水漏れ、とうとう床の三分の一が侵食されてる始末だ。どれだけモップをかけても後から後から染み出してくる。ドジなコザックの奴め、ロッカールーム内に引き込んでいたピナレロのロードバイクに雨漏りが直撃して、3時間でスプロケットを錆びさせたらしい。本気で落ち込んで涙ぐんでいた。

 11階の天井も洒落にならない。バケツを3個、6時間置きの交換だったのが、今や4時間置きで中身を空けに行っている。去年よりもひどいな。もちろん、クロックは修理を呼ぶつもりもない。どこの箇所もだ。


 709号室での自殺騒ぎの続報だが、奴はやり遂げた。頑丈なダーク・エルフの意識を失わせるには、一体何錠の睡眠薬が必要だったのか、想像するのも難しい。取り敢えず司法解剖の結果、死因は溺死だと聞いている。サイレント・サードの爺さんも、薬の銘柄を聞いておけば良かったんだ。

 あいつは見かけこそ俺達とそう変わらなかったが、もう50年近くこのホテルを住処としてきたらしい。その間、訪ねてくるのは娼婦だけ、それも俺達が来た頃には見かけてない。死体を引き取りにくる身内もいないそうだ。

 虚しいな。正直、哀れでもある。エルフもまた、同族意識が強い種族だろうに。


 お袋が133歳の時、なぜいきなりソルト・リックと再婚したのか、今なら分かる気がするよ。親父を忘れた訳じゃないんだろう。もちろん、稼ぎやQOL(合ってるはずだ)の向上を当てにしていたのでもない。だがこれからの生涯、息子達も独り立ちをしていき、そこから1匹きりで生活するのへ耐えられなくなった。

 彼女は自分に嘘をつかない、勇気の持ち主だ。例え周囲から非難の目を向けられても、決断を下した。

 勿論、俺達兄弟も盛大に反発したし、正直今もしこりが残っていないと言えば嘘になる。でも、賛成はしなくても認めるくらいはするべきなのだと思う。


 バスタブで2倍くらいの大きさに膨れ上がって、引き上げようと腕を掴んだら肩から皮膚が剥けるような有様のダーク・エルフを発見したのは、少し強烈な洗礼過ぎたか? マルキは今日一日休ませてくれとさ。彼女が入って3ヶ月か、まあ、やむを得ないな。あと半年もすればこんなの慣れっこになる──それまで彼女が勤めてるかは分からんが。


 709号室はシルキー達が片付けてたが、お前も手伝った大掃除のおかげで、大して手間もかからなかったそうだ。残った荷物はトランクケースに一つ分くらいか。これも来週には廃棄になるだろう。


 1118号室の客はマトン・カレー(7番街のネパール料理屋でテイクアウトしたもの)をひっくり返したとチェックアウトの時に申告してきた。オゾンを焚いているが、この天候だ、いつ乾くか分からん。

 

 「プーキーのバーバー・ポール」を体験出来ないなんて、お前は本当に不幸な奴だ(その分アンシャンテと楽しんだのか。DJブースだって? やるじゃないか)去年辞めたサンライズは、その卓越したテクニックへ感謝の意を込めて、フルール・デュ・マルでブルーのセクシーなランジェリー一式を買ってやったらしい。彼女はまだあれを着てるんだろうか。


 アンシャンテだが、さっき話していたら、どうやら彼女、チェリーと寝たらしい。チェリー、あっちも行けたのか(アンシャンテは驚かん、バイセクシャルでない淫魔は存在しない)キュートだった、3本挿しにされて散々悶えてたとアンシャンテもすっかりご満悦だ。

 可愛い顔してえげつないプレイもどんと来いって訳か。俺の前では猫を被ってた? いや、例えどんな生き物でも、淫魔に魅入られたが最後、箍が外れるのは当たり前だ。奴らの誘惑のフェロモンに太刀打ちできるはずもない。


 しかし、3本挿し? 一体どうなってんだ。

 

$2,335.55

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