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6月30日(木) アコーダンス

 お前の呑気さには全く恐れ入るよ。あのエクソシスト、俺達が共謀して生きたままMサイズを貪り食ったことと、その行為が常習化していないかを疑ってたんだぞ。あれだけ傷口が酷い有様なら、歯形も取れやしないからな。

 もっとも、この頃近隣で類似の犯罪がちょくちょく起きて、警察も容疑者の目星をつけているとの噂だ。いくらもしないうちに事態は沈静化するだろう、そうであることを願う。


 ロッカールームの匂いの原因が分かったぞ。あまりに腐臭がエグ過ぎるから、通風口を確認してみたところ、案の定ゾンビ・ラットがうろちょちょろしてやがった。

 捕まえて首を捩じ切ったが、アルクディアがふざけてホイストのロッカーへ投げ込んでおいたものだから、さっきから凄い騒ぎだ。奴がヒステリーを起こした女みたいに泣き喚いてるのはそういう訳さ。クロックが犯人探しをしてるが、その前に普段の行いを省みるべきだな。

 水槽のネズミ達は共食いをしたり交尾をしたり、とうとう出産した奴までいたから(捕まえた時点で妊娠していたらしい)さっきマルキにバケツの水へ漬けさせてる。彼女は顔色を悪くこそしていたものの、やり遂げた。

 これからもネズミ捕りは仕掛けておくが、順次殺処分でいい。捕食の許可は出ていないってことをお前は頭に叩き込んでおけ。


 914号室の吸血鬼が女を3人引き込んでハメを外していたが、全員意識が朦朧としているとの連絡があった。2人はグリーンドア・エスコート・サービスの所属だから、約定通りウーバーで事務所へ送り返してある。もう1人は素性の不明な、恐らくストリート・ガールだ。ジェイコブス通りへ。部屋の主はあれだけ血を啜ってまだ足りないのか、さっき血液ボトルをルームサービスでオーダーしてきやがった。


 ミス・ウィング・ハートは、お前の予測通り、本来そこまで擦れた性質じゃないんだろう。彼女とサイレント・サードの爺さんは、まるで老人と孫みたいな不思議な感覚で結ばれているようだ。さっきも爺さんの部屋で2人、チェスをしていた。


 雨がしとついているせいか、仮眠室の壁が濡れてるから気を付けろ。ロベルタが眠れないと困ってたので、お前のレインコートを貸してある。

 モップは定期的にかけているが、501号室の人狼女性がエントランス前で転んだ。服はサービスでクリーニングに出してある。1114号室のノームはチェックアウト後、駐車場のアスファルトの穴にはまって腰まで水浸し。こっちはあらかじめカラーコーンと注意書きがあったところをよそ見しての結果だから、特に保証はしていない。後からゴネてきても突っぱねろ。


 これだけ降ると、さすがに気が滅入る。常夏の島の夢想ばかりが膨らんでやりきれない。俺はあの島へ行ったら、例え銀の弾丸が装填された銃を突きつけられても、絶対に働いたりするものか。手に持つのは葉巻とラム酒のグラスだけ。飯も全部、取り巻きの美女に食べさせるし、毎日風呂で体を洗わせてマッサージさせる。俺は使役される側じゃなくて、する側の存在だからな。


 それはそうとして、だ。確かに、生きていく上で大きな目標を持つことは重要だ。しかし言い方は悪いが、鼻先に人参をぶら下げておかないと、日々の繰り返しへ倦んでしまうこともまた事実だろう。ガス抜きって奴をしなけりゃ。


 アンシャンテからテキストが来た。今夜2時、コンドミニアムで待ってる。ミスター・ペル・メルは留守。ドアマンには話を通してある。

 彼女はお前のコックが不満な訳じゃない。毛色の違う男前を2人並べて愉しみたいだけさ。美女の期待には応えるべきだろう。

 それと、髪型なんか気にしなくていい。全然おかしくない。大体、どれだけヘアドライヤーを使っても、どうせ激しい運動の後は崩れるんだ。


 チェリーに3本挿しが好きなのか聞いたら、枕で叩かれた。俺のは大きいから一本で十分だと。全く可愛い女だよ。


$2,339.05

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