死者を呼び出せ! 明かされる真実と、引き裂かれた夫婦愛(2)
「さてアメリー、俺はお前にもう一つ聞かなあかんことがある」
「なんでしょう」
「お前、ダニエルに、どうしてほしい?」
「え?」
「あるいは、ダニエルと、どうなりたい?」
「あの、魔法遣い様、それはどういう意味ですか……?」
「よう聞けアメリー、お前は死人や、わかるな?」
「はい……」
「呼び出された死者は死者の国に帰らなあかん、たったひとりで ……本来なら」
「本来なら?」
「アメリー、自分、せっかくもう一度逢えたダニエルと、ここで別れてもうて、ほんまにええんか?」
「い、いけませんわヴォルフさん! それは禁…… きゃっ」
俺はローゼの華奢な胴を右腕で抱え込み、左手でその口を塞いだ。
決して死人に教えてはいけないはずのことを告げる。
「今なら叶えてやることができる! ダニエルは魔法陣から飛び出した! つまりやな! 死人の自分が連れて行きたいと願えば、二人であの世へいけるんや!」
「魔法遣い様、それは、」
「それなら寂しくはないやろ! ダニエルは死んでまうけどな!」
「えぇ、そんな……」
「 あんたら善人やから間違いなく天国へ行ける! 自分が望むなら、寂しくないように二人で行けるようにしたる! どうや?!」
「私、は……」
「連れて行ってくれアメリー! 君のいないこの世に生きていても意味がない! 寂しいのは僕も同じだっ! もう僕を、一人にしないでくれぇぇ! 離れたくないぃぃぃ!……もう、君とはなれたくないよぉ、アメリぃぃぃ〜……」
アメリーの胸元を涙で濡らし、ダニエルが吠える。
アメリーの気持ちはあきらかに揺らいでいる。
ダニエルと別れたくないに決まっている。
だが、アメリーは言い切った。
「魔法遣い様、私の願いは、ダニエルに生きてもらうこと、です」
「あ、アメリィィィィ……」
「……私のぶんも、生きて、ダニエル」
厳しく優しくそう告げると、アメリーは血の気のない唇をダニエルの口に重ね、情けない泣き言を止めた。




