金髪イケメンの呑んだくれ、肉屋の嫁は魔女だった!?(5)
2ヶ月以上更新をサボッてしまいましたが、エタるつもりはありません。
実は新作のノベルゲームを制作しています。
冬コミまでは更新頻度が下がりっぱなしになりそうですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。
「ヴォルフさん」
「なんや?」
「どうしてダニエルさんに嘘を言ったんれすか?」
「うそ? 何の話や?」
「魔女の濡れ衣を着せられて処刑されたアメリーさんが、ダニエルさんに逢いたがってるということれす」
「ん? 嘘ではないやろ?」
ローゼの呂律が怪しくなってきた。
そんなに飲んだようには思えないが、身体が小さい分酔いがまわるのも早いのだろう。
もう少し飲ませたら酔いつぶれ、膨らみかけの薄い胸も、あれもこれもイタズラし放題になる……
……のかもしれないが、しない。
しないし、するつもりはない。
というか正直、こんな風に異性に好意を持たれたことがないので、どう対応したらいいのかよくわからない。
童貞は悲しい生き物だ。
童貞でなくなれば、今とは違う対応ができるようになるのかもしれないが、ローゼを相手に童貞を捨てるというのは、何かが違う気がしてならない。
だが何が違うのかはよくわからない。
「だって、ヴォルフさんはアメリーさんに会ったことないでしょ? 会ったことないのにアメリーさんが旦那さんに逢いたがってるって決めつけるのは、嘘じゃないですか?」
「確かにアメリーに会ったことはないな、けど俺にはわかる」
「どうして? なんで会ったこともない人の気持ちがわかるんですか?」
ローゼの顎にそっと手を添え、黄金色のワインを一口飲ませる。
「……ん、おいしいれす」
「よかったな」
「もっと飲みたいれす」
「ええよ」
「口移しでもいいれすよ……?」
「アホか。 飲みながらでええから聞きや。 アメリーは魔女やない、魔女にさせられただけで冤罪や、そこまではええな?」
「はい」
「ダニエルはそのことを知らん、飲んだくれのおっさんたちも知らんかったし、 ……みんな知らん、魔女はほんまにおる、処刑された奴は魔女、アメリーも魔女、魔女なら処刑されてもしゃあない、と思っとる」
「……そうれすね」
「アメリーは魔女ちゃうのに、魔女やとされて処刑された、 ……ほな、もしも自分がそんなんやったら、どうや?」
「わたし?」
「自分がアメリーやったら? 無実の罪を着せられたら? それで殺されたら? そんな風に考えてみ? 夫の俺に、なんか言いたいことあるやろ?」
「そう、ですね ……わたしは魔女じゃない、って言いたい、かな、たぶん」
「やろ?」
「魔女じゃなくて、死神だし」
「……それはともかくやけどな」
ローゼに飲ませたグラスを自ら呷る。
甘酸っぱいワインが喉を滑り落ち、胃に入り込んで身を焦がす。
「そんなこと、アメリーに会ったことがなくてもわかるし、アメリーがどんな女かは関係ないんや。 アメリーの魂がまだこの世に存在するのなら、必ずダニエルに逢いたがっとるはずや」
「そっか、さすがですねヴォルフさん」
「ただな……」
「ただ?」
「アメリーの魂が、ダニエルに逢って何を訴えたいかまでは、わからん、助けてくれへんかったことに文句言いたいかもしれんし、いつまでも自分を忘れんといてくれと言いたいかもしれへん、いつまでも泣いとかんとさっさと再婚しいやといいたいかもしれへん、 ……まあでも、」
もう一口、喉を潤す。
「もう二度と逢えないと思っとった死んだ嫁にもう一度逢わせてやればやな、ダニエルは俺たちの仲間になるで、 ……必ずな」




