金髪イケメンの呑んだくれ、肉屋の嫁は魔女だった!?(4)
いろいろありすぎて、一ヶ月ぶりの更新になりました。
読んでいただけたら嬉しいです。
「アメリーは処刑されました、アメリーが魔女なのか、そうでないのかはもう誰にもわかりません……」
「誰にもわからん? 真実を知っとるのは本人だけやからな?」
「そうです……」
「ほな、本人に聞いてみよか?」
「本人?」
「アメリーや」
「どういうことですか?」
「本人しかわかれへんなら、アメリーに聞いたらええやん、自分、ほんまに魔女なんかって」
「だからアメリーは、魔女として処刑されて、」
「やから、 ……アメリーの魂を呼び出して、本人に聞いたらええがな」
決して馬鹿にするわけではないが、ダニエルの驚愕の表情は見ものだった。
「はぁっ? ヴォルフさん、あなたいま、何て言いました?」
「アメリーの魂を呼び出して、本人に聞いたらええがな、いうたんや」
「そ、それはどういうことですか?」
「なんや聞こえへんかったんか? この距離やぞ?」
死人の魂を呼び出せるなどという話、まともな人間なら信じられるわけがない。
もちろんダニエルもそう。
だがダニエルの表情には、はっきりと書いてある。
『アメリーに逢いたい』
と。
信じられないが、信じたいのだ。
「き、聞こえていないわけじゃないです! そうじゃあなくて!」
「ほな知らんのか? 人間の魂は不滅なんやで? やからアメリーも肉体は滅んでも魂は……」
「そういうことを聞いているわけでもありません! ……アメリーに、アメリーに、逢えるんですか?」
「せやな」
「逢えるんですね!?」
「まあ、俺たちなら」
「どうして?! ……い、い、いや、どうやって? どうやってアメリーの魂を呼び出すんですか?」
「それは言われへん」
「言えないって、そんな……」
「俺は魔法遣いやねん、魔法遣いが魔法の遣い方を、ベラベラ喋れわけなやろ」
「そ、それもそうですね…… すいません」
「なあダニエル? 自分にとっては魂の呼び出し方なんかどうでもええんちゃう? どんな方法であれ、結果的にアメリーにもう一度会えて、アメリーが無実なんかどうかが知りたいんやろ?」
「……何が目的ですが?」
「ん? 目的?」
「アメリーに逢える、と言って、僕からお金を取ることですか?」
「あのなあ……」
俺はわざとらしくため息をつき、視線をそらし、眉をしかめ、グラスを開けた。
ローゼーがすぐにグラスにワインを注ぐ。
俺の耳元につやつやした桜色の唇を寄せ、耳元でそっと、
「……わたしも飲みたいな〜」
「あとでな」
ローゼを椅子に座わらせ、俺はダニエルのグラスにワインを注ぐ。
「ダニエル、カネはいらんねん…… いや、自分がアメリーに逢うてから、俺たちに感謝したいと思ったらそん時払ろうてくれたら、それでええ」
「本当に?」
「ほんまや」
「なぜ?」
「……何がそんなに気になるんや?」
「なぜヴォルフさんは僕に、アメリーに逢わせようとするんですか? ……なぜ? なんのために?」
「なぜって、そら、決まっとるやん?」
俺はもう一度グラスを空け、そっとテーブルに置いた。
「……アメリーも自分に逢いたがっとるからや。 死人の希望を聞いてやるんも、魔法遣いの役目なんやで?」
---------------------------------------
勘定を済ませ、ダニエルと別れた後は自称俺の嫁の死神の少女と二人っきりで酒宴を過ごす時間。
今夜は充分すぎるほど飲んだが、ローゼと一緒にグラスを交わす約束は外せない。
もう少し耐えてくれ、俺の肝臓。
「ヴォルフさん」
「なんや?」
「どうしてダニエルさんに嘘を言ったんれすか?」
「うそ? 何の話や?」
「魔女の濡れ衣を着せられて処刑されたアメリーさんが、ダニエルさんに逢いたがってるということれす」
お知らせです。
黒柴亭、夏コミは一日目金曜日「東-て02a」たんすかいに委託で参加しております。
このお話を気に入っていただけた方なら、きっと楽しんでもらえるノベルゲームを用意して待ってますので、ぜひお越しください。




