01話 転生者は諜報員
遅れましたが本編スタートです。
俺はこれまで国のために働いた。国のために生きた。
どんなに苦しくても、最愛の人が死んでも、どんなに痛くても、自分が愛し、愛する国のために責務を全うした。
だが邪魔になったら殺す。それが国の方針だった。
俺はいらない存在だった。
はっ?
なんだよそれ。いらなくなったら殺すのか?
俺は孤児で2歳の頃から旧日本陸軍中野学校に配属をされ訓練を長年していた。そして10歳の頃に初任務。
それから6年間国のために人生を投げ出してまで働いいた。
それなのに、上は自分の私欲のために、自分のキャリアに傷がつかないために俺を殺した。
何が国のためだ、何が国民の為だ。
殺してやる。殺してやる!
だがこの激情も最早、叶わない。
もうすでに俺は意識だけの存在。これから朽ちるだけ。
俺の生は何の為に誰の為に........
一度で良いから本当の両親に会ってみたかった。
「朽ちるのはまだ早いぞ?人間」
どこからかそう声が聞こえる。
何だろう?
幻聴だろうか?
もしくは助かったのか?
「一つ言うが君が考えるこれは全て違う。私は君に語りかけている」
俺の希望は打ち砕かれた。
「私?あんた誰だ?」
「私は日本担当のいわゆる女神様だ。君の願いを叶えてやる為にきた」
俺の目の前には誰もいない。
「俺の願い?それなら生き返る事さ。諜報とは全く無縁の世界で静かに死ぬまで家族に囲まれ幸せに朽ちながら死ぬことさ!あいにくもう死んでいるがな」
「ほうほう、それが君の願いか。だが流石の私でも全てを叶えるのは少し厳しい。そうだな確約できるのは幸せに死ねると言うことだけさ」
「そうですかそうですか。聞いた俺が無駄だったよ」
「おや、せっかく願いを叶えてあげているのに。君、性根が腐っているね」
「そうだな。諜報員なんて死んだらそんなもんさ」
「君の言動で私は君に嫌悪感を抱いてしまったよ」
とその感情の割には彼女は飄々と喋る。
「それは嬉しい限りです」
俺は棒読みで答える。
「そう言う事を言うのか。後になって後悔しても遅いぞ?君に一つペナルティーだ」
「ペナルティー?」
「君は来世でも諜報員になることが今決まった」
「は?」
「残念なことだな」
「別にどうでもいいよ。もう死んでいるんだ」
「まあとにかく来世を楽しんでくれ」
こうして声が消えた。やっと静かになれる。
こうして俺は永遠の眠りについた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
薄暗い橋の下にあるとある商会の倉庫でそれは行われていた。
「本当だ!俺は国家機密を他国に持ち出してなどいない!」
「あれ?おかしいな?報告ではお前が売り渡したと記されているんだけど?」
と茶色い髪の16歳ぐらいの少女が言う。彼女の目の前にはカエルのように太った男が。
「そ、それは、デマだ!そう、間違いというやつだ!だから今すぐ解放してくれ!」
「先輩どうしますか?」
茶髪の少年が言う。そして黒髪の少年が姿を表す。
「もちろん、粛清」
「わかりました」
「じゃあ、先輩が言うからしょうがないね」
と彼らは納得したようだ。
「な、なんだ?おい、やめろよ?お前ら人の心とかないのか?それと、お、お前ら、何者だ、?」
「ムサシといえばわかるかな?」
茶髪の少年が言う。
「まさか!ムサシ機関か!?」
「正解」
ニッと茶髪の少女が言う。
「では命により、お前を排除する」
「ひ、ヒッ!」
太った男の首にナイフが突き刺さった。そして彼らはその周囲にスプレーを噴射する。
ニオイや、痕跡を残さないためだ。そして男の血を止める。
しかしすでにその男は絶命していた。血を止めるのは隠蔽工作の為。
この空間では事件など起きていない。誰も疑問に思わない状況を作る為。
彼らは何も疑問に思わず『掃除』をする。
「先輩どうですか?」
「よし、もういいよ」
と彼は言う。そしてその瞬間その空間には何もいなかった。
そして何かがいた痕跡すらなかった。
その倉庫は今も誰も疑問を思わずに使い続けている。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「〜と言うのが今回の任務の顛末、そして拷問の顛末でした」
俺は任務報告を終える。
俺の前世の名前は八島雄也。表向きは普通の高校生。
だけど本当は陸上自衛隊所属の陸上幕僚監部運営支援隊またの名を情報部別班第十六班番号11402隊員だった。
しかし上層部の指令により俺は尋問の後、暗殺された。
そして俺は日本から、世界から、地球から生存データを抹消された。
俺は裏切られた悔しさが残っていた。しかし死後俺を謎の声が導いた。相手は自称女神。
そう。俺を転生させた張本人だ。そして俺はこの世界で生を授かった。
だけど俺はこの世界でも孤児だった。親の愛情や優しさ、温もりなどは感じられなかった。そして俺はとある諜報機関に育てられる。
ちなみにこの世界には前世にはなかった、魔法や魔力というものが存在していた。
現在は訓練のおかげもあり普通に使用することが可能になった。
そして配属された諜報機関はこの世界で陰の諜報機関として暗躍している『ムサシ機関』
彼らはこの世界では都市伝説扱いでその存在も政府公認ではないとされている。
しかし我々は国のために動いている。
まるで前世と一緒だ。祖国のために。国名はエスピオン王国。絶対王政の国だ。
この世界は前世でいうとファンタジー世界というのだろう。
2013年はとある小説家たちが集まり投稿するサイトで異世界ジャンルが流行っていたが異世界など希望も何もない。
それに科学力も生活水準も低い。夢など何もない。クソみたいな世界だ。
こんな世界に夢を抱くのは俺がいた世界で失敗を続けてきた無能で無価値な人間だけだ。
だけど俺は前世で生き続けられなかった。だから死にたくはない。
この矛盾する気持ちにどう決着をつければいいのか?
俺にはわからない。俺は生においてはこの世界に希望を抱いているのかもしれない。
俺は祖国のためとか、国民のためとかは今更どうでもいいが今日も俺が生きるために今日も国のために暗躍している。
「それでアルファ。あいつが情報を売った先を特定できたか?」
司令が問う。
「はい。それは一人の情報ブローカで彼はまだその情報を売り捌いておりませんでした。なので瞬時のその場で自殺に見せかけ殺害しました」
「そうかよくやった」
司令が言う。ちなみに司令の顔は現在カーテン越しで会話、任務報告を行なっている為不明だ。
俺はこの世界でコードネーム『アルファ』として諜報活動を行なっている。
本名などない。
年齢は15歳。
前世なら高校生の年頃だ。俺はそんなことを考えていた。そして次の任務が出される。
「アルファ。次の任務は君に適任な任務だ」
「ありがとうございます」
「何として完遂しろ」
「はい」
「それでは任務内容を発表する。エスピオン魔法学園に入学し、暗殺者たちから我が国の王女、シルヒィを護衛してもらいたい」
「わかりました」
俺は新しい任務の承諾した。いや拒否などあり得ない。それがムサシ機関。
ん?護衛任務?
現在私は二つの作品を書いています。それはムサシ機関と国から追放されて俺です。この二つの作品でいちばんの違いは主人公の異世界に対する情熱でしょうか?ちなみに僕は異世界に情熱ある方です。失礼しました。




