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帯留め 三
日が西に傾いたころに家に戻ると、サキが厨で何かを焼いていて、いいにおいがした。
おれは帯留めの玉を渡した。
「礼だ」
サキは鍋をいったん火から退け、帯玉に細い革帯を通してみた。
「紅厳石だ。斧を食らっても割れない」
「……ありがとう」
おれの部屋に古銅の帯鉤が七つほど、壁に飾られていた。一寸のものもあれば、一尺のものもある。古銅に銀をハメたものや龍の象嵌がされたもの、鉤に動物の頭をあしらったもの、そして、七つ全てに剣を吊るすのに使う輪がつけてある武人様式だ。
「弩を借りたから」
「あれはお前のものだ。おれには使いこなせない。おれには箱だけあればいい」
誰かに借りをつくることに、おれは落ち着かない。これが全て、いくらしたのだろうと考えると、それが顔に出たのだろう。
「大丈夫」サキが、クスっと笑って、帯玉を指先で撫でた。「きっと、こっちのほうがいいものだから」




