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【WEB版】俺だけステータスオープンできる件~俺だけステータス確認できる世界でチートスキルもS級アイテムも選び放題~  作者: 茨木野


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173/175

173.

「よし、行くぞ」


 俺が踵を返そうとした、その時だ。

 ミュゼの長い耳がピクリと跳ねた。


「お待ちください、ご主人様」


 彼女は窓の外、遥か彼方へ視線を向ける。

 その表情が険しく引き締まった。

 ミュゼは『超聴覚』のスキルを持っている。

 風の音や虫の羽音すら聞き分けるその耳は、常人には聞こえない遠方の異変を捉えていた。


「囲まれています。……金属の擦れる音、詠唱の準備音、そして統率された足音。数は五百を下りません」

「ほう。仕事が早いな」

「おそらく、先ほどご主人様が捕らえた斥候からの情報でしょう。狙いは間違いなく、私たちです」


 俺は鼻を鳴らす。

 こちらから出向く手間が省けたというものだ。

 俺は震える宿の主人に振り返り、金貨を一枚弾いて渡した。


「親父、戸締まりをして奥に引っ込んでいろ。これから少しばかり、店の前が騒がしくなる」

「は、はいぃっ!? 承知いたしましたぁ!」


 主人が慌ててカウンターの裏へ隠れるのを見届け、俺たちは堂々と正面玄関から外へ出た。


 外は異様な殺気に包まれていた。

 宿を取り囲むように展開しているのは、褐色肌の砂漠エルフたちだ。

 全員が湾曲刀や長杖で武装し、ギラギラした敵意をこちらに向けている。


「出てきやがったな、侵入者め!」


 指揮官らしき男が声を荒げた。


「我らが支配する聖域に土足で踏み入った罪、万死に値する! 抵抗など無意味だ、大人しく――」

「無駄口はいい。さっさとかかってこい」


 俺が欠伸混じりに挑発すると、男の顔が怒りで赤黒く染まった。


「なっ……! 舐めるなよ人間風情が! 者共、一斉射撃だ! 跡形もなく消し飛ばせぇっ!」


 号令と共に、数百の杖が一斉に火を噴いた。

 空を埋め尽くす火球、氷の礫、雷撃。

 視界を覆うほどの魔法の雨が、俺たち目掛けて殺到する。

 直撃すれば宿ごと消し飛ぶほどの火力だ。


 だが、俺は一歩も動かない。

 ただ静かに右手をかざし、その言葉コマンドを口にするだけだ。


「――【ヒラクモノ】」


 ズオォォォッ!


 空間が悲鳴を上げた。

 俺の目の前に、底なしの闇を湛えた巨大な『穴』が出現する。

 それはあらゆる物理法則を無視した暗黒空間への入り口だ。

 殺到した数千の攻撃魔法は、その漆黒の穴に吸い込まれるようにして、音もなく呑み込まれていった。


「な……っ!?」


 指揮官が絶句する。

 爆発も、衝撃もない。

 ただ、魔法が「無かったこと」にされたのだ。


「――【トザスモノ】」


 俺が手を握り込むと、空間の裂け目はシュンと音を立てて消失した。

 後に残ったのは、無傷の俺たちと、呆然と立ち尽くすエルフの軍勢だけ。

 先日手に入れた邪神の力の一部だが、なるほど、これは使い勝手がいい。

 絶対的な防御にして、最強のゴミ箱だ。


「さあ、次はお前たちの番だ」


 俺は蒼白になった兵士たちを見回し、獰猛な笑みを浮かべた。


「死にたい奴だけ、かかってこい。全員まとめて、あの世への『門』を開いてやる」

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※2/11(水)


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