171.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「ひぃっ! あ、あぁ……」
砂漠エルフは腰を抜かしたまま、ジリジリと後退る。
完全に戦意を喪失していた。
術者を無力化したことで、奥の部屋に閉じ込められていた人質たちが解放される。
「あなた!」
「パパぁ!」
「おお、マリア! コレット! 無事だったか……!」
宿屋の主人と、その妻と子供が涙ながらに抱き合った。
震える体でお互いの温もりを確かめ合う姿に、俺は小さく息を吐く。
間に合ってよかった。
「あ、ありがとうございます……っ! なんとお礼を言えばいいか……!」
主人が俺に向き直り、額を床に擦り付けんばかりに頭を下げた。
「貴方は、私たち家族の命の恩人です! 一生かけても、このご恩は……!」
「顔を上げてくれ」
俺は静かに制した。
「俺は、貴族として当然のことをしたまでだ」
「え……?」
「力を持つ者が、力なき者を守る。それは義務であり、誇りだ。礼を言われるようなことじゃない」
ノブレス・オブリージュ。
高貴なる者の義務。
それが俺の行動原理であり、揺るがない信念だ。
「さあ、家族を安心させてやるといい」
「は、はい……っ! 本当に、本当にありがとうございます……!」
主人は何度も涙を拭いながら、妻子の肩を抱いて奥へと下がっていった。
「さすがはご主人様。痺れます……♡」
「父上さま、かっこいいー!」
ミュゼとフレイが尊敬の眼差しを向けてくる。
悪い気はしないが、まだ仕事は残っている。
「さて。そこのこそ泥」
俺は逃げ出そうとしていた砂漠エルフの襟首を掴み、引きずり戻した。
「ひぎぃっ!? ゆ、許してくれ! 我はただ、命令されただけで……!」
「その命令の出どころを吐いてもらおうか。だが、ここで尋問するのは憚られるな」
家族団らんの場に、薄汚い犯罪者は相応しくない。
俺は少し考え、先ほどの敵の技を思い出した。
(奴の『暗黒空間』……空間を隔離する術式か。構造は荒削りだったが、理論は面白い)
俺のスキル【開】なら、あれをより高度に再現できるはずだ。
俺は何もない空間に手をかざす。
「【開】――『空間断裂』」
ズズズッ……。
空間が垂直に裂け、その向こう側に漆黒の「部屋」が現れた。
敵の術のような破壊のエネルギーはない。
完全に現世から隔絶された、静寂の異空間だ。
「ほら、入れ」
「な、なんだここは!? 底が見えないぞ!? や、やめろぉぉぉぉっ!」
俺は泣き叫ぶエルフを、無造作にその裂け目へと放り込んだ。
そして、パチンと指を鳴らして入り口を閉じる。
シュンッ。
空間の裂け目が消え、エルフの声も気配も完全に遮断された。
いつでも取り出し可能な、便利なポータブル牢屋の完成だ。
「す、すごいですご主人様……!」
ミュゼが目を丸くして驚愕している。
「敵の術を一度見ただけでコピーするどころか、安定した亜空間に改良してしまうなんて……!」
「父上さまにかかれば、どんな魔法も積み木遊びみたいですね!」
二人は呆れつつも、誇らしげに俺を見つめた。
まあ、これくらいは造作もないことだ。
「よし。とりあえず、詳しい話は後でゆっくり聞かせてもらうとしようか」
俺はポケット(異空間)に獲物をしまったまま、平然と踵を返した。
【おしらせ】
※2/2(月)
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