46話 愛の誓い
とうとう二章もクライマックスです!
ぜひ楽しんでいって下さいね!
ユリウスは革命前の最後の夜にエレーヌと会っていた。エレーヌは叔父の目を逃れて家に出た。そして家の近くで二人は静かに抱き締め合っていた。
二人は体を離してお互いの目をゆっくりと見つめ合った。
「最近ずっと眠れないの。明日ユリウスの身に何かあるかも知れないと思うと凄く怖いわ。」
「エレーヌ。俺は大丈夫だ。必ず生きて帰るよ。」
「そんなこと分かっているわ。でも怖いの。」
ユリウスはエレーヌにかける言葉が見つからず、その言葉を探し求めるようエレーヌに優しく接吻をした。
二人は予想のつかない未来を想像して、途方に暮れていた。エレーヌの頭の中は革命のことでいっぱいだった。ユリウスに生きていて欲しい。どうして普通に生きることがこんなにも難しい時代なのか。愛し合う者が簡単に引き剥がされてしまう時代。エレーヌは魔王軍が作った暗黒の時代を心底に恨んだのだった。
「最近ずっと体調が悪くて、明日にお医者様が来るの。でもたぶんこの体調不良は赤ちゃんだと思う。」
「俺は絶対に生きて帰らないといけないな。」
エレーヌが「当たり前よ」と言ってユリウスのことを抱き締めた。
二人の出会いはユリウスの一目惚れからだった。ユリウスはたまたま街に買い物に出ていたアルマンとエレーヌを見かけた。そしてそしてユリウスはエレーヌのことを一瞬見ただけで恋に落ちたのだった。
そこからユリウスはあらゆる手段を使ってエレーヌのことを調べた。そしてやっとエレーヌの住む家に辿り着き、彼女に初めましてを伝えることができたのだった。
最初は手紙を直接渡すことから始まったが、いつの間にかエレーヌもユリウスに恋心を抱いていた。そしてすぐさま親密な関係になったのだった。だがエレーヌはユリウスが暁のリーダーであることを知るとひどく傷ついた。
暁の者は魔王軍に命を狙われている。エレーヌはすぐにでも暁を脱退するようユリウスに言った。しかしユリウスはそれを拒んだ。彼には自分の命よりも大切な使命感を担っていた。自分が暁を抜けてしまうと、暁に勝ち目はなくなってしまう。ユリウスは幼馴染であるレオンと共にベルナールを救うことを天に誓っていた。更にエレーヌが王族の者であると知って、彼女にベルナールの生まれ変わった姿を見せて上げたいという気持ちも強くなった。
「明日、ベルナールは生まれ変わる。その日から俺は君と新しく生まれてくる命と‥‥‥幸せになるんだ。幸せな家庭を築こう。エレーヌ‥‥‥愛しているよ。」
二人は長いキスの後で別れた。そしてユリウスは帰路につく。すると帰り道でユリウスのことを待ち伏せしている女性がいた。彼女はミレイユ・ヴァルモンだった。
「ミレイユ。こんなところで何をしているんだ?」
「あなたを待っていたのよ。」
「どうして俺のことを待っていたんだ?」
「あなたに伝えたいことがあったからよ。」
ミレイユは真剣な眼差しでユリウスのことを見ていた。
「私はあなたのことがずっと好きなの。」
ユリウスはミレイユの言葉を受け取って、気まずそうに頭をかいた。
「大丈夫。分かっているわ。あなたには恋人がいる。でも、もしかしたら明日死ぬかもしれないから。この気持ちを伝えられずに死ぬのは嫌だったから。だから伝えたの。
私はあなたのことが好き。あなたと出会ったときからあなたに惹かれていた。でもずっと伝えられなかった。もっと早くに言えば良かったのにね。」
ミレイユは寂しそうに笑った。ユリウスはただありがとうとだけ伝える。
「明日はお互いに頑張りましょうね。必ず生きて帰りましょう。私も全力で戦い抜くわ。」
「俺も明日は全力で頑張るよ。ミレイユ。いつもありがとうな。」
とうとう明日は革命の日。ユリウスは色々な気持ちを背負って、明日の日を待ち受けていたのだった。
今日もありがとうございました!




