42話 鍛錬の結果
2章もとうとう最後に近づいていきます!ぜひ楽しんで行ってください!
革命の日までライナはリュカと共に行動した。二人はすっかり仲良しになっていた。
ライナは対エル戦のためにリュカと毎日修行をしていた。
完全な暗闇。視界は奪われ、耳には布を巻かれる。頼れるのは肌に触れる空気だけだった。
リュカが小石を投げる。反射音も風切り音もない。
(……どこ?)
次の瞬間、頬をかすめる冷気。ライナは反射的に拳を振る。
空を切った。
「惜しいね。まだ感覚に頼りきれてないよ。」
二度目。
三度目。
四度目で、拳が小石を砕いた。
「合格。今のはちゃんと感覚だったね。」
「やったぁ!何だか前よりもレベルアップした気分!」
ライナは短期間で色々な修行を積んだ。
森の木々の間に、細い糸を何十本も張る。
触れたら小さな鈴が鳴る――けど耳は塞いだまま。
つまり鳴った後は分からない。鳴る前に回避するしかない。
ライナは両腕を軽く広げ歩く。糸に触れないようにじゃない。糸の気配を先に感じる。
(ここ空気がちょっと張ってるかも)
まるで空気の中に線があるみたいに肌が反応する。ライナは体を捻り肩を落とし膝を折る。
鈴は鳴らない。
「剣も同じ。触れたら終わり」とリュカが言う。
「ムカつくほど分かりやすい例えだね。」
リュカは小さく笑った。
1日1日と日は過ぎる。そして今度はリュカの風魔法を使った訓練。攻撃じゃない。体の周りの空気圧をほんの少し変えるだけ。
リュカが魔法を発動すると空気が薄く撫でた。ライナの腕をほんの少しの風が撫でる。
「今、ボクがどこにいるか当てて」
「……左前。木の影」
「正解。空気が押された方向がある。目じゃなくて皮膚で見ることを忘れないでね。」
ライナは短期間で物凄く成長した。持ち前の運動神経の良さが役に立った。
夜、洞窟の入口に水滴が落ちる場所がある。ポタ…ポタ…一定のリズム。
リュカはそこに紛れて小石を投げる。水滴と同じタイミングで投げるから、小石は一定のリズムに隠れる。
(リズムに騙されるな。この中に異物が混ざってるんだ)
ライナは水滴の落ちる前を読む。落ちる直前、空気がちょっとだけ重くなる。
その重さが乱れた瞬間――
拳が出た。
小石が砕ける。
「合格。もう感覚の目は養われてると思うよ。」
「本当に⁉︎こんな短期間でそんな簡単に変われるかな?」
「じゃあ試しにノクトを呼んでみたら?」
ライナはリュカの言う通りにノクトを呼んだ。
そしてノクトとライナが手合わせをする。
ノクトは剣を握ってライナに攻撃を繰り返した。ライナはそれらを全て避ける。そしてライナはノクトの剣の軌道を見て隙を見つける。
ライナが火に燃えた拳でノクトを襲う。ノクトの剣とライナの火拳が交互に動く。そしてライナのパンチがノクトに掠って服が少し焦げた。ライナはノクトの攻撃を全てかわした。
「いいね。これで感覚の目は完成だよ!」とリュカが嬉しそうに言った。
「ライナ強くなったな。数日でこんなに成長できるなんて。とんでもない運動神経だな。」
ノクトも驚きを隠せなかった。ライナは声を出して喜んでいる。
「これでアタシも役に立てるね。絶対にノクトとエリシアの足を引っ張らないから!」
ライナは一人で黒翼将と戦えるほどに強くなりたかった。そうでないと誰も守れない。これまでに数々の強敵と戦ってきた。
黒翼将のザイモン、バサルト、エル。
ライナは自分よりも遥かに強い敵たちを見てきて、もっと強くならないといけないと思った。自分の実力不足のせいで救えなかった命だってある。
ライナは誓ったのだった。自分が一人でも多くの命を守ることを。こんな時代だからこそ誰かが戦わなければいけない。でも強くないと守れない。だからこそ強くなりたいんだ。
革命まで残り数日。ユリウスは森の中で一人の女性と会っていた。その女性はエレーヌ・ラヴォワだった。
「ユリウス。お願いだから生きて帰ってきて。」
エレーヌがユリウスの胸に顔を埋めた。
「私はあなたと一緒に生きていきたいの。こんなにも愛してる人を失いたくはないわ。
それに私、妊娠したかもしれないの。」
ユリウスは声を出して驚いた。
「最近、ずっと吐き気が凄くて。また医者に診てもらうんだけど、たぶん妊娠だと思う。」
ユリウスはエレーヌのことを見つめた。胸の奥が愛で溢れる。ユリウスは愛する人のことを抱きしめる、そして愛してるの言葉を口にした。
「俺は必ず生きて帰ってくるよ。そして君と幸せな未来を生きる。約束するよ。」
「ええ。必ず幸せになりましょう。こんなにも愛し合っているんだから。」
二人は森の中で抱きしめ合った。二人の将来を約束して。
投稿はマイペースですが、ぜひ楽しんでいって下さいね!




