30話 ベルナールの革命軍「暁」
これから2章の開幕です!よろしくお願いします!
16話
ノクトとエリシアの稽古は毎日続いた。二人は腕を組み合いながら実践形式で戦いの稽古を続けた。ヴェルノアの優秀な教師が何人も揃って相手になる。
最初は腕を組みながらの戦闘において、タイミングを合わせることに苦戦していた。しかし日々練習を重ねることで、戦いのコンビネーションは圧倒的に向上した。
ノクトは上位魔法をしっかりと放つ練習も欠かさなかった。ヴァルグランに放った漆黒龍の魔法も完全の状態ではなかった。
ノクトは闇魔法を父の力なしでは完全な状態で発動できなかった。しかし今はエリシアがいる。彼女がいれば完全な闇魔法も可能かもしれない。
ライナも次の戦いに向けて学園で学んだ。ノクトとエリシアはベルナールに向かうらしい。自分もノクト等についていこうと考えた。
ノクト達ならきっとこの世界を救う。彼らはそんな強さを備えている。アタシも世界を救うための力になりたい。
(もっと強くなりたい)
その気持ちだけでライナはどんな努力だってできた。
ザイモン戦もバサルト戦もきっと自分一人なら殺されていただろう。一人で黒翼将と戦えるように強くなりたい。そうしないと誰も守れない。
ライナは固い決意と共にヴェルノア学院の優秀な教授や生徒に囲まれて鍛錬に励んだのだった。
そして数日が経った頃。ザルベックに隣国のベルナールからお客様が訪ねてきた。
その人物の名はルネ・アルディ。彼はやせぎすの少年だ。
ぼさっとした栗色の髪に、煤けた街の色を映したような灰色の瞳。色あせた紺のロングコートに、首元だけぐるりと赤い布を巻いている。それが革命軍〈暁〉の印だ。靴はすり減り、指先にはペンだこと剣だこが並ぶ。
彼はベルナールで密かに活動している革命グループ「暁」の一員だった。
ミレオとレオンハルトは応接間で彼の話を聞く。その場にはノクトらも招集された。
「私たち暁は十日後、ベルナールの現王であるヴァルグランに向けて反乱を起こします。そして暁のリーダーであるユリウスとレオが二人体制で新たなるベルナールの王となります。言わばこれは暁の革命です。」
「悪いけどあなたの言うていることは世間知らずにすぎないわ。私はヴァルグランと戦ったからこそ言える。あなたたちではヴァルグランには勝てないわ。彼は間違いなく世界一強い火属性魔法使いよ。その彼にどうしてあなたたちが勝てるって言うの?」
エリシアが口を挟んだ。するとルネは嘲笑った。
「あなたこそ世間知らずですよ。ユリウスとレオは私が知る限りで最強の魔法使いです。その名はザルベックにも届いていると思いますが?」
「確かにその二人の名を聞いたことはある。」とレオンハルトが答えた。
「彼らは最強です。二人とも暁ができる前から有名な魔法使いでした。特にユリウスの地属性魔法は誰にも真似できません。あの二人が力を合わせるんですから、革命は必ず成功します。」
暁は十日後に革命を起こす。どうやらユリウスに出頭命令が出ているそうで、その期限がその日までらしかった。
その日を過ぎると街を何から何まで破壊するという命令が城から出ているらしい。そしてルネは魔王軍から解放されたザルベックに軍隊の援助を依頼しにきたのだった。
ミレオは悩んでいた。今のザルベックには充分な兵力がなかった。国の護衛だけでも精一杯であるのが現実だった。するとノクトが口を開く。
「俺らが行くよ。俺、ライナ、エリシアで行けば国の軍隊二つ分くらいはあるだろう?それにヴァルグランを倒せるのは俺らしかいないだろうし。」
ミレオは黙り込んだ。ノクト達に対する心配があったからだった。ノクトはそれを察した。
「大丈夫だよ。俺はもう負けない。しっかりと練習もしたからな!」
ミレオはゆっくりと口を開く。
「うん。分かった。じゃあノクトたちに行って貰うね。」
「今度こそヴァルグランを粛清するわ。」
「アタシもヴェルノア学園でたくさん勉強して、物凄く強くなったんだから!必ずノクトとエリシアの役に立つよ!」
こうしてノクトらはベルナールに潜入することになった。ベルナールの革命軍「暁」を通じてヴァルグランに接触を試みることにした。
ノクトは誓った。もう負けない。自分には守らないといけないものがある。エリシアもライナも彼と一緒の気持ちだった。
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